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【政治】

認知症「予防と共生」柱 政府新大綱、数値目標は掲げず

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 認知症対策を強化するため、政府は十八日、発症や進行を遅らせる「予防」に初めて重点を置いた新たな大綱を関係閣僚会議で決定した。認知症の人が暮らしやすい社会を目指す従来方針の「共生」とともに予防を二本柱に据え、二〇二五年までの施策をまとめた。人との交流や運動不足の解消が予防につながる可能性に注目し、高齢者が地域の公園や公民館で体操や趣味を楽しむ「通いの場」の拡充を打ち出した。

 これまでも政府は通いの場を実施する自治体に交付金を出すなどして推進してきた。だが六十五歳以上の参加率は4・9%(一七年度)と低迷。普及を促すため国が市区町村に向けた活動の手引を作成し、参加率を8%程度に向上させる。

 共生社会の実現を目指し、認知症の人や家族を支援する「認知症サポーター」を二五年までに企業で四百万人養成する新たな目標も掲げた。スーパーや銀行などで働く人を中心に配慮の仕方の理解を深めてもらう。

 企業や団体に所属するサポーターは約二百三十万人いるが、働き手の中心世代に当たる二十〜五十代が少ないのが課題。養成講座の受講を各業界団体に呼び掛け、企業単位での取り組みを強化する。

 このほか関係省庁の施策として、認知症の人本人の情報発信支援、高齢運転者向けの免許制度を創設、認知症の人が外出しやすいよう公共交通の事業者に配慮計画の作成を義務付けることなどを盛り込んだ。

 二五年には団塊世代全員が七十五歳以上になり、認知症の高齢者は推計約七百万人に達する。安倍晋三首相は閣僚会議で「共生と予防を車の両輪として取り組みを強力に推進する」と表明。予防に関しては社会保障費を抑制する狙いもあるが、科学的根拠が不十分なため実効性は見通せない。

 政府は当初、大綱の素案に「七十代の発症を十年間で一歳遅らせる」との数値目標を前面に掲げた。認知症当事者や与党内から「偏見を助長し、自己責任論に結び付く」などと批判が噴出したため、参考値にとどめた。新たに予防の定義として「認知症にならないという意味ではなく、なるのを遅らせる、進行を緩やかにするという意味」と明記した。

 

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