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【政治】

障害者と農業つなぐ ジョブコーチ、育成カギ 政府交付金、応募わずか6件

小松菜の計量や袋詰めを行う多機能型作業所「たいよう」の利用者ら=茨城県鉾田市で

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 政府は今月四日、障害のある人が農業に携わる「農福連携」の推進計画をまとめた。この中には、農業現場で働く障害者を支援する「農業版ジョブコーチ」の育成が明記され、農家と障害者の仲介役としての役割が期待されている。しかし、コミュニケーションの取り方のほか、人材育成のために新設された交付金が広報不足などから活用が進まないなど、課題も多い。 (北條香子)

 農業版ジョブコーチは、農家が障害のある人を受け入れる際に気を配るべき事柄や、障害の特性を踏まえた作業の指示方法などを農家に助言するのが主な役割で、農福連携に欠かせない存在となっている。

 社会福祉法人「白銀(しろがね)会」(茨城県石岡市)は、同県鉾田市の多機能型作業所「たいよう」に通う知的障害などがある男女約十五人を、近隣農家四軒に派遣。名産のメロンや小松菜などの生産に携わっている。

 たいようの責任者で、農業版ジョブコーチの役割を務める梶山剛史さん(40)は指示の難しさを語る。「農家の人は、つい『適当にやって』と言うことがある。障害のある人は『適当に』(の意味が)が分からず混乱する」

 梶山さんは、指示を障害のある人に伝える役も担う。白銀会の長谷川淺美(あさみ)理事長は「農業版ジョブコーチがまず農業を身に付け、農家の指示をかみ砕いて障害がある人に分かるように伝える必要がある」と語る。

 今後は人材の育成が課題となる。四日に首相官邸で開かれた農福連携の推進会議で、三重県の鈴木英敬知事は、国が作成した統一的なカリキュラムや基準をつくり、都道府県が研修や認定する仕組みを提案した。

 一方、農林水産省が本年度から始めた農業版ジョブコーチの育成や派遣を支援する交付金への応募は、全国で六件にとどまっている。申請した社会福祉法人などに対し、育成費用などとして年間上限四百万円を助成する。

 同省は想定より少なかったため、追加募集を検討している。都市農村交流課都市農業室の難波良多室長は「PR不足や、日ごろ厚生労働省との関係が強い社会福祉法人には、農水省の補助金の情報が行き渡らない面もあった」と話す。厚労省障害福祉課は「農業版ジョブコーチ育成は農水省所管だが、依頼があれば周知に協力する」と説明している。

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