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【政治】

年金「100年安心」 都合よく 03年公明提唱→麻生政権 不使用→安倍政権 一転強調

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 安倍政権では、公的年金制度が将来も持続していくことを強調する際に「百年安心」という決まり文句をよく使うようになった。だがその取り扱いは、時々の政権で都合よく変わっている。

 「百年安心」を最初に用いたのは、小泉政権当時の公明党だ。二〇〇三年の衆院選に向け「年金百年安心プラン」を提案。同党の坂口力厚生労働相(当時)のもとで翌〇四年に公的年金制度改革を実施した。

 この改革で、物価や賃金の上昇よりも年金の支給額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」を導入。年金の給付水準維持や保険料の上限も定めた。これが現行制度の基盤になっている。坂口氏は当時の国会答弁で、年金を「百年安心にしたい」と明言していた。

 「百年安心」は政権の共通理解になっていたわけではない。〇九年に麻生太郎首相(当時)は「政府としてうたったことはない」と指摘。第二次安倍政権でも歴代厚労相は、政府として公式に使っていないとの答弁を維持。安倍晋三首相も国会答弁で使うことを極力避けてきた。

 一転して「百年安心」を使い始めたのは、老後資金に二千万円が必要とした金融庁審議会の報告書をきっかけに、安倍政権が公的年金制度の信頼性を強調せざるを得なくなったからだ。

 安倍首相は今月十日の参院決算委員会で「マクロ経済スライドによって百年安心の制度ができた」と訴えた。麻生金融担当相は十八日の参院財政金融委員会で「百年安心」の定義を問われ「年金をもらう側の立場に立ってもかなりの部分が賄える」と答弁。給付の面でも問題ないと独自の見解も示している。 (中根政人)

 

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