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【政治】

ハンセン病訴訟 01年「おわび」踏襲も救済具体性欠く

2001年5月、ハンセン病訴訟の原告らと握手する小泉純一郎首相(当時)(左)=首相官邸で

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 ハンセン病問題を巡っては、二〇〇一年五月二十五日に、元患者本人への賠償を命じた熊本地裁判決が控訴期限を迎えた際も、政府は首相談話と政府声明を出した。当時の小泉純一郎首相の首相談話と今回の安倍晋三首相のものを比べると「反省とおわび」との文言は同じだが、解決の道筋に関しては、安倍談話は具体的な方針の明示を避けている。

 政府声明に関しては、両者とも判決の問題点を列記。ともに控訴断念は「異例の判断」と強調した。政府声明で法律上の問題を指摘しつつ、首相談話で早期解決が必要との見解を示した点は同じで、安倍談話は前例を踏襲したといえる。

 小泉談話は、元患者の苦難に向き合った結果として、隔離政策が「人権を制約し、厳しい偏見、差別が存在してきた事実を深刻に受け止める」と表明。安倍談話も総理として対応を真剣に検討した結果、「家族にも極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実」と認めた。

 「政府として深く反省し」との文言は全く同じ。小泉談話が「率直におわびする」としたのに対し、安倍談話は「心から」との表現を加えた。

 解決の道筋として、小泉談話は、(1)訴訟へ不参加の人も含め、判決の認定額を基準に新たな補償立法(2)名誉回復と福祉増進の措置(3)元患者と厚生労働省との協議−を箇条書きで示した。安倍談話は、訴訟への参加・不参加を問わず補償措置を講ずることを表明、人権の啓発や教育などの活動を強化するとしたが、それ以上踏み込まなかった。

 政府声明も小泉談話に倣い「国家賠償法、民法の解釈の根幹に関わる法律上の問題点がある」と主張。立法行為についての法的責任の在り方、損害賠償請求権の消滅の議論に関し、判決に異議を申し立てる内容だった。

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