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【政治】

国際連帯税 学生「導入を」 国会議員とシンポ

学生と国会議員らが意見を交わしたシンポジウム=24日、東京・永田町の衆院第1議員会館で

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 貧困や飢餓の撲滅、環境保全といった地球規模の課題解決の資金源として、「国際連帯税」の導入を目指すシンポジウムが二十四日、国会内で開かれた。市民団体や有識者らでつくる「グローバル連帯税フォーラム」などの共催。国会議員や学生ら約二百人が参加し、議論を交わした。 

 導入を目指す超党派議員連盟会長の衛藤征士郎衆院議員(自民)は「(税制度について議論する)各党の税制調査会に向けて準備し、何としても実現したい」とあいさつした。

 学生との対話では、横浜市立大や上智大、青山学院大の計九人が「為替取引に課税を」「地球温暖化対策や教育などに使おう」などと提案。導入すべき税の種類や使途を巡って議員らと議論し、実現には世論形成が重要であることを確認した。

 シンポジウムには河野太郎外相も参加。「次世代を担う若い世代に積極的に参加してもらい、いろいろな活動を一緒にしてもらえるとありがたい」と呼び掛けた。

 シンポジウムでは金子宏東大名誉教授と上村雄彦横浜市立大教授が講演し、国際連帯税の意義や各国の動向、導入に向けた課題を解説した。

◆多重感染などの支援可能に

 寄付受け付けの国際機関 マルモラ事務局長に聞く

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 フランスなどが導入する国際連帯税はどのように使われているのか。国際連帯税を基にした寄付を受ける国際機関「ユニットエイド」(本部=スイス・ジュネーブ)のレリオ・マルモラ事務局長(52)が来日した際、活動内容や税の意義を聞いた。 (安藤美由紀)

 −ユニットエイドの活動は。

 「製薬会社と協力して結核やエイズ(後天性免疫不全症候群)、マラリアといった感染症用の最新医薬品を、低価格で途上国が使えるようにしている。そうして開発したイチゴ味の子ども用結核薬は現在、九十カ国で使われている。エイズの自己検査キットは米国内では四十五ドル(約四千八百円)程度で流通しているが、製薬会社に働きかけ、途上国向けに二ドルのキットを提供してもらっている」

 −活動資金はどこから得ているのか。

 「二〇〇六年の設立以来、欧州各国や財団などから約三十億ドルの寄付を受けた。フランスなどの国際連帯税(航空券連帯税)はそうした寄付の原資になっている。資金が増えれば、エイズウイルス(HIV)とともに生きる人の多重感染や子宮頸(けい)がんの取り組みが深まる上に若年妊娠、熱帯病など新たな課題への対応も可能となる。日本政府からは今年、初めて一億円の支援を受けた」

 −日本への期待は。

 「日本は常に世界保健の分野のリーダーで、世界三位の経済大国だ。(連帯税導入に前向きな)河野太郎外相の政治的指導力に期待している。日本を通じて、アジア各国と接点を持ちたい。日本企業とはマラリア予防の蚊帳の製造などで協力を得ている。今後も連携を深めたい」

<国際連帯税> 貧困や感染症対策のため、航空券や金融取引といった国境をまたぐ経済活動に対し、広く浅く課税する。国連で2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、30年までの貧困や飢餓の撲滅、環境保全を目標に掲げる。国際連帯税はそれら地球規模の課題解決のために使われる。

 フランスや韓国、チリなど十数カ国の「航空券連帯税」は国際連帯税の一種で、出国者の航空料金にエコノミークラスの場合、数百円程度を上乗せする。

 民主党政権下の11年度政府税制改正大綱で「貧困問題等地球規模の問題への対策」の財源として「真摯に検討する」とされたが、業界の反発もあり導入されていない。

 河野太郎外相は22日、国際連帯税導入を検討する有識者懇談会を設置。11月に名古屋市で開催の20カ国・地域(G20)外相会合でも議論する意向だ。

 

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