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【政治】

「反辺野古」翁長氏なお影響 死去から1年、問われる具体策

最後となった記者会見で、辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回方針を表明した沖縄県の翁長雄志前知事=2018年7月27日、県庁で

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 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)の新基地建設反対を掲げ、国と対峙(たいじ)した翁長雄志(おながたけし)前知事の死去から八日で一年。翁長氏を結節点に、辺野古反対で保守と革新が集結する「オール沖縄」が支援した候補は、知事選や国政選で政権与党側候補を相次ぎ破った。県政界への影響力は今もなお残るが、目指した辺野古移設阻止の道筋は見通せない。

 「翁長氏は、平和で豊かな誇りある沖縄を(目指す)と、一生懸命訴えてきた」。七月の参院選沖縄選挙区でオール沖縄の支援を受け初当選した高良鉄美(たからてつみ)氏は、街頭演説で呼び掛けた。選対幹部は「演説では、翁長氏の名前を必ず口にするよう指示した」と明かす。

 この一年、後継となった玉城(たまき)デニー氏が当選した昨年九月の知事選や、四月の衆院3区補欠選挙、七月の参院選沖縄選挙区と、オール沖縄は同様の戦術で臨んだ。

 「イデオロギーよりアイデンティティー」。「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー(沖縄人を見くびってはいけませんよ)」。県幹部は、翁長氏が生前に残した数々の言葉は「血を吐くような民族の叫びで、多くの県民の心を一つにした」と評価する。

 一方で、辺野古移設を容認し、オール沖縄と対決する自民党県連は、選挙戦で名指しの翁長氏批判は控えた。県連関係者は「県民は、命懸けで沖縄のために政府と戦った知事というイメージを持っている。戦いづらかった」と打ち明ける。

 衆院解散・総選挙がない場合、沖縄の次の政治決戦は来年夏にも予定される県議選となる。県政与党であるオール沖縄の勢力が過半数を維持できるかどうかが焦点で、玉城氏にとっては「中間審判」の位置付けだ。

 ただ、この一年の間に辺野古沿岸部では土砂投入が始まり、埋め立ては今も進む。工事を止める有力な手だては見当たらず、辺野古反対派の焦りは募る。玉城氏周辺も「これまでの県政運営は、合格点だとは思っていない」と認める。

 県政与党幹部は「いつまでも翁長氏頼みではいけない」と自戒する。「埋め立ては阻止できていないし、普天間の返還も進まない。玉城氏は翁長路線の継承者として、具体的な成果こそが問われる」と厳しい見方だ。

 

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