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【政治】

中国機、海自標的に訓練 東シナ海 政府、抗議せず非公表

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 東シナ海の公海上で五月、中国軍の戦闘機が海上自衛隊の護衛艦を標的に見立てて攻撃訓練をしていた疑いの強いことが分かった。複数の日本政府関係者が証言した。政府は不測の事態を招きかねない「極めて危険な軍事行動」と判断したが、自衛隊の情報探知、分析能力を秘匿するため、中国側に抗議せず、事案を公表していない。現場での偶発的軍事衝突の懸念があり、緊急時の危機回避に向けた仕組み作りが急がれる。

 日中関係は、政治的には改善が進む一方、東シナ海では中国によるガス田の単独開発や公船の領海侵入が続き、日本が抗議を繰り返している。今回の中国機の行動は、東シナ海の軍事的緊張の一端を浮き彫りにした形だ。

 政府関係者の話を総合すると、日中中間線の中国側にあるガス田周辺海域で五月下旬、複数の中国軍のJH7戦闘爆撃機が航行中の海自護衛艦二隻に対艦ミサイルの射程範囲まで接近した。中国機は攻撃目標に射撃管制レーダーの照準を合わせ自動追尾する「ロックオン(固定)」をしなかったため、海自艦側は中国機の意図には気付かなかった。

 別に陸、海、空自衛隊の複数の電波傍受部隊が中国機の「海自艦を標的に攻撃訓練する」との無線交信を傍受。その後、この交信内容とレーダーが捉えた中国機の航跡、中国機が発する電波情報を分析した結果、政府は空対艦の攻撃訓練だったと判断した。政府内には挑発との見方もある。

 日本政府は直後に「極めて危険な軍事行動」と判断し、海自と空自の部隊に警戒監視の強化を指示したが、情報を探知し、分析する能力を隠すため、中国側への抗議や事案の公表を差し控えた。

 日中両政府は二〇〇八年に東シナ海のガス田を共同で開発することで合意したが、交渉は沖縄県・尖閣諸島沖で一〇年に起きた中国漁船衝突事件を受けて中断。中国は一方的に単独開発を進めている。一三年には中国海軍の艦船が海自の護衛艦に射撃管制レーダーを照射したとして日本政府が中国に厳重抗議する事案が発生している。

 

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