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【政治】

防衛費、米追随色濃く 20年度概算要求

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 防衛省は三十日の二〇二〇年度予算の概算要求に、米軍と自衛隊との軍事的一体化を進める武器の購入を多く盛り込んだ。貿易赤字削減のために米国の武器購入を迫るトランプ大統領の要求に応え、国内外で問題が多発しているF35戦闘機の配備も継続する構えだ。

 概算要求の総額は、七年連続増加し六年連続で過去最大を更新する五兆三千二百二十三億円。このうち、米国に有利な条件で武器を購入する「対外有償軍事援助(FMS)」による調達費は五千十三億円に上る。

 護衛艦「いずも」の事実上の空母化に向け、戦闘機を発着艦させるための甲板の耐熱改修費は三十一億円を計上。安全保障関連法に基づき、改修後は他国を攻撃する米戦闘機の着艦や洋上給油も可能になる。

 いずもへの搭載を念頭に短距離離陸・垂直着陸できる米国製ステルス戦闘機F35B六機の購入費八百四十六億円が初めて盛り込まれた。通常の離着陸を行うF35Aも三機(三百十億円)を購入する。いずれもレーダーを避け敵基地を攻撃する能力を備え、憲法九条の専守防衛を逸脱しかねない。

 F35を巡っては、航空自衛隊のF35Aが四月に墜落して操縦士が死亡し、米国でも昨年九月に海兵隊のF35Bの墜落事故が発生。米政府監査院(GAO)はF35の重大な欠陥十七件が未解決だと指摘している。

 米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」も、候補地選定に使用したデータの誤りなどにより、配備予定地の秋田県が強く反発し、同意を得る見通しが立たないにもかかわらず、ミサイルの垂直発射装置六基の関連費百二十二億円を計上した。

 岩屋毅防衛相は三十日の記者会見で、GAOが指摘したF35Bの問題点について、安全性の確認が米政府からまだ取れていないと認めた。日米貿易交渉と同様に、防衛予算でもトランプ政権への配慮がにじむ。 (上野実輝彦)

 

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