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【政治】

要職は側近らで「安定」 小泉氏抜擢し「挑戦」演出

第4次安倍再改造内閣の初閣議を終え、記念撮影に臨む安倍首相(前列中央)と閣僚ら=11日午後7時23分、首相官邸で

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 安倍晋三首相(自民党総裁)は「安定と挑戦」を掲げた十一日の内閣改造・党役員人事で、主要ポストに党内実力者や盟友・側近を配置し、「安定」重視を鮮明にした。「挑戦」に関しては、小泉進次郎氏を環境相に抜擢(ばってき)して演出するにとどまった。首相に近い保守系議員や党内主流派の入閣待機組の順送り人事も目立った。女性閣僚は二人だけだった。 (中根政人、坂田奈央)

 首相は十一日の記者会見で改憲の実現には「何より安定した政治基盤が不可欠だ」と述べた。実際、自民党の二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長を続投させ、内閣改造でも二〇一二年十二月の第二次安倍政権発足から同じポストを担う麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官を留任させた。

 麻生氏は森友学園を巡る財務省決裁文書改ざんの責任を取らないままだ。菅氏は記者会見で、官邸事務方による質問妨害を黙認し、丁寧に答えなかった時期がある。こうした問題があっても続投させるほど、首相の人事は安定志向だ。

 ほかの重要ポストも、閣僚経験者を充てる安定重視の人選となった。外交・安全保障を担う外相、防衛相には、茂木敏充氏、河野太郎氏をそれぞれ横滑りさせた。総務相、厚生労働相には、高市早苗氏、加藤勝信氏をそれぞれ再起用した。

 一方、首相は記者会見で目玉の小泉氏起用の説明に多くの時間を割いた。国民から人気の高い小泉氏の登用で、政権浮揚を図る狙いがある。首相自身が小泉氏の父、純一郎首相(当時)に党幹事長に抜擢された経緯にも触れ、サプライズ人事をまねたことを認めた。

 首相と思想的に共鳴する議員や「お友だち」も相次いで初入閣した。萩生田光一文部科学相、衛藤晟一沖縄北方担当相は党内きっての右派。衛藤氏に加え、江藤拓農相、河井克行法相の三人はいずれも第二次政権で首相補佐官を経験した。

 残るポストには、衆院当選五回以上、参院当選三回以上の入閣待機組を起用し、「在庫一掃」(党重鎮)の色彩が強まった。武田良太国家公安委員長、田中和徳復興相、竹本直一科学技術担当相、北村誠吾地方創生担当相が所属派閥の推薦通り初入閣。中には国会での答弁能力を不安視される新閣僚もいる。

 首相が成長戦略の中心に据えた「女性活躍」も看板倒れになりつつある。女性閣僚は高市氏と橋本聖子五輪相の二人。改造前から一人増えたが、閣僚に占める女性比率は約一割と低い水準にとどまる。

 「政治分野における男女共同参画推進法」の成立を働きかけた市民団体「クオータ制を推進する会」役員の平松昌子氏は「大幅に閣僚を入れ替えた中で、女性を二人しか起用しなかったことには落胆しかない」と話した。

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