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【政治】

核兵器製造会社への投融資 「日本の金融8社 実施」

記者会見でPAXの調査について説明するスージー・スナイダー氏=京都市内で

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 「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)運営団体の一つが、核兵器を製造する企業への資金提供をやめさせて核廃絶につなげる運動を展開している。毎年、主な核兵器製造企業に対する金融機関の投融資状況を公表。今年の発表では日本の八社が含まれていた。運動関係者は投融資をすぐに中止するよう求めている。 (大杉はるか)

 この団体はオランダの国際非政府組織(NGO)の「PAX」。核弾頭やミサイルの開発・製造・補修工程に関わる企業に対する各国金融機関の投融資状況を企業が公開している年次報告や経済専門のデータベースなどを利用して独自に算出。調査結果は二〇一二年から公表している。

 一九年版(投融資期間一七年一〜一九年一月)報告書によると、核兵器製造企業十八社に対し、世界全体で三百二十五の金融機関が計七千四百八十億ドル(約八十一兆円)超を提供した。日本では、三菱UFJフィナンシャル、みずほフィナンシャル、SMBCグループなど八社、計二百五十六億ドル(約二・八兆円)。一八年版より一社、金額も約七十億ドル増えた。

 本紙の取材に対し、前出の三社を含む七社が「個別の取引には回答できない」と答え、一社は「取引していない」と否定した。ある社は「傘下の子会社が海外で(核兵器製造企業の)株式運用をしている可能性があるが、直接の投融資ではない」と説明。複数社が、核関連だけでなく航空機やミサイルなど幅広い事業を扱う企業との取引は「線引きが難しい」と話した。

 これに対し、PAXのスージー・スナイダー核軍縮プログラムマネジャーは今月十四日の京都市での講演で「核兵器製造企業に投融資すれば、核兵器事業に使われないとの担保はない。だから投融資を避けようと言っている」と語った。

 核兵器の製造や保有に加え、製造・保有への援助を禁じる核兵器禁止条約は、日本などが参加するクラスター爆弾禁止条約(一〇年発効)も参考に制定された。今回指摘された八社のうち四社はクラスター爆弾の製造や製造企業への投融資禁止を公表している。

 スナイダー氏とともに講演した目加田説子中央大教授(国際政治学)は「先進国ではクラスター製造企業と取引のある金融機関は問題視される」と解説。核兵器製造企業への投融資にも一般預金者が厳しい目を向ける可能性を指摘した。 

 

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