東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

北が弾道弾 潜水艦発射か 島根沖のEEZ落下

写真

 日本政府や韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は二日午前七時十分ごろ、東部・江原道元山(カンウォンドウォンサン)の北東沖約十七キロの海上から日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。河野太郎防衛相は記者団に、一発のミサイルが分離し、島根県島後沖約三百五十キロ付近の日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したと説明した。九月十日以来の発射で、米韓当局は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試験の可能性も考慮して分析。北朝鮮のミサイルが日本のEEZに落下したのは二〇一七年十一月以来で、SLBMなら初めてとみられる。 (上野実輝彦、ソウル・中村彰宏)

 推定されるミサイルの最高高度は約九百キロ、飛行距離は約四百五十キロ。河野氏は通常の軌道より高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射された可能性があるとした。通常の発射なら日本に届く中距離弾道ミサイルに相当するとみられる。

 韓国の鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防相は二日、「海上から発射されたとすれば、SLBMの可能性がある」と述べ、「北極星」系列の弾道ミサイルとみていると明らかにした。国会の国政監査で答えた。

 安倍晋三首相は二日朝、官邸で記者団に「弾道ミサイルの発射は国連決議違反であり、厳重に抗議し、強く非難する」と強調。「米国をはじめ国際社会と連携しながら厳重な警戒態勢の下、国民の安全を守るため万全を期していく」と語った。この後、茂木敏充外相や河野氏らと国家安全保障会議(NSC)を開き、対応を協議。外務省は北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に抗議した。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官や首相は当初、発射されたミサイルを「二発」と説明したが、その後の分析で「一発」に修正した。

 北朝鮮は一日、米国との非核化に関する実務協議を五日に開催することで合意したばかり。協議と並行して兵器の開発を進め、米国に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。韓国軍が一日の「国軍の日」記念式典で、北朝鮮が導入を非難している最新鋭ステルス戦闘機F35Aを初公開したことへの反発との見方もある。韓国政府も二日午前、NSCを開催した。

 北朝鮮によるミサイル発射は二発を発射した九月十日以来で、五月以降は十一回目。いずれも日本のEEZ外に落ちた。防衛省は、三種類の新型ミサイルの可能性があり、ロシアや米国のミサイルと類似していると分析している。

 北朝鮮が一七年十一月に発射したミサイルは、青森県西方約二百五十キロのEEZに落下。北朝鮮が「火星15」と名付け、米本土を射程に収めるとされる大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられ、「ロフテッド軌道」で発射していた。

◆GSOMIA 韓国が要請、日本求めず

 【ソウル=中村彰宏】韓国の鄭景斗国防相は二日、北朝鮮が発射したミサイルについて日本から軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)に基づく情報共有の要請はなく、韓国側から求めたと明らかにした。韓国は八月、日本政府にGSOMIA破棄を通告。期限の十一月二十二日までは協定が維持される。

<北朝鮮のSLBM開発> 北朝鮮は金正恩朝鮮労働党委員長の体制下で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)開発を推進。日本の防衛白書によると、2015年5月の「水中発射実験の成功」を含め、過去5回の発射実験を行ったと推定されている。機動性に優れる固体燃料を使い、射程千キロ超とみられ、北朝鮮は「北極星」と命名。SLBMは地上発射型の弾道ミサイルに比べ、事前に発射兆候をつかむのが困難とされる。北朝鮮メディアは7月下旬、金氏が新型潜水艦を視察したと写真付きで伝え、韓国国防省はSLBMを搭載できると分析した。 (共同)

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報