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【政治】

日米韓 乱れ突かれる 北が弾道ミサイル

朝鮮中央通信が2016年4月に報じた、北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験発射。日時、場所は不明=朝鮮中央通信・共同

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 北朝鮮による二日の弾道ミサイル発射で、日米韓三カ国は足並みの乱れを突かれた。トランプ米大統領が五月以降に相次いでいる北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射を黙認する中、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられるミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾する事態になった。日本がミサイル数を誤って二発と発表し、一発に修正する場面もあった。韓国との関係悪化が情報収集に影響した可能性がある。 (上野実輝彦、木谷孝洋)

 安倍晋三首相は二日朝、予定を早めて官邸入り。弾道ミサイル発射に関し「国連決議違反で、厳重に抗議し、強く非難する。米国をはじめ国際社会と連携し、国民を守るために万全を期す」と記者団に強調した。

 首相は、トランプ氏が金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談を重ねて融和路線に転じた後、歩調を合わせて正恩氏に会談を呼び掛けてきた。五月以降の短距離弾道ミサイル発射に対しては、首相は国連決議違反だと繰り返し批判し、トランプ氏との溝が表面化していた。

 それでも首相は北朝鮮への制裁は強化せず、対話を探る姿勢も変えなかった。短距離弾道ミサイルはいずれも日本のEEZの外に着弾したからだ。だが、今回はEEZ内に落ちた。その上、海上から日本を狙えるSLBMの可能性がある。

 「ミサイルは撃てば撃つほど精度は向上する」(日本政府高官)だけに、安倍政権がトランプ氏頼みで手をこまねいているうちに、自国への脅威が高まるのを見過ごす結果となった。政府は二日、国家安全保障会議(NSC)を二回開き、情報収集と分析を急いだ。

 韓国と十分に情報が共有できていない可能性も浮上した。日本は当初、ミサイルを「二発」と発表し、その後に「一発の弾道ミサイルが二つに分離した可能性がある」と修正した。

 数を間違えて公表するのは異例で、ミサイル対処に必要な探知能力を疑われかねない。韓国軍は当初から一発とみていた。発射地点の情報は韓国の方が集めやすいとされ、首相周辺も「早期の段階では情報が少なかった」と認める。

 韓国が八月に破棄を決定した日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)は十一月二十二日まで有効で、それまでは軍事情報を防衛当局間で共有できる。ただ、韓国側によると、日本からGSOMIAに基づくミサイル情報共有の要請はなく、韓国から求めたという。

 「政府は事案が起きる度に米国、韓国と連携すると言ってきた。それでは、どう連携してきたのか。君らには緊張感もなければ、怒りの気持ちもない」。自民党の二階俊博幹事長は党会合に防衛省の担当者らを呼び、こう叱責(しっせき)した。

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