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【政治】

米軍絡む事件・事故 5年で2200件 日本政府、補償3.2億円負担

 米軍人と軍属が関係する事件や交通事故などが今年三月までの五年間に日本国内で二千二百十五件起き、裁判外での補償や民事訴訟で認められた損害賠償額などのうち、日本政府が約三億二千万円を負担していたことが防衛省への取材で分かった。ただ、手続きが煩雑な公務外の事件・事故では訴訟を諦めて泣き寝入りしているケースも多いとみられ、専門家は「被害者の立場に立った制度が必要」と指摘している。 (片山夏子)

 同省によると、米軍人と軍属がこの五年間に起こした事件・業務上の事故は三百八十二件(公務外百四十四件)、交通事故は千八百三十三件(同九百八十六件)で計二千二百十五件(同千百三十件)。日米地位協定によると、米軍が公務と認めた場合、加害責任の度合いに応じて日米両政府が補償する。米軍に全責任があっても日本政府が25%は負担する内容になっており、日本政府の負担額約三億二千万円のうち、公務上のものは約一億四千万円に上る。

 一方、公務外の負担額は約一億八千万円。賠償責任は加害者にのみ生じ、米政府が出すのは「慰謝料」になる。被害者は日本政府を介し、米政府に慰謝料を求める手続きを取る。その後、日本政府が査定した額を基に、最終的に米政府が支払いの有無や額を決める。慰謝料のため金額は低く、被害者は裁判を起こし、判決で認められた賠償額との差額を日本政府が支払う。

 米軍絡みの裁判を多く手掛けている新垣勉弁護士は「事情に詳しくない弁護士に相談し、『米兵相手の裁判は難しい』と言われて諦める人もいるだろう。公務外の事件・事故の被害者救済のため、最初に日本政府が補償をし、それを米政府や加害者に求める制度をつくるべきだ」と述べた。

 

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