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【政治】

恩赦55万人 三権分立に反する懸念

<解説> 裁判を経た刑罰の効力を、行政の力で変える恩赦は、三権分立に反するとの懸念が根強い。政府は対象者を限定して批判をかわしたい考えだが、懸念を払拭(ふっしょく)するだけの丁寧な説明もなく、実施ありきで手続きを進めた姿勢は疑問だ。

 恩赦に罪を犯した人の更生意欲を高める効果があることは否めない。実際、個別の事情で可否を決める個別恩赦は年間数十件認められており、励みになったという当事者の声も寄せられている。

 一方、政令恩赦は対象となる罪などを決め、一律実施される。個々の反省や更生、被害者感情が考慮されない点で、個別恩赦とは大きく異なる。

 平成への代替わりで二度にわたり実施された政令恩赦は対象者が多く、公選法違反者も多数含まれ、政治的だと批判を浴びた。この間に犯罪被害者基本法が成立するなど、被害者保護の意識も高まっている。

 今回は、過去の事例や時代の変化を背景に、政令恩赦の在り方を考える機会だったが、政府は実施方針すら直前まで公表せず、検討過程も明らかにしていない。制度を維持するのであれば、国民の一層の理解を得る必要があるだろう。 (共同・西蔭義明)

 

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