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【政治】

進まぬ皇位継承議論 女性天皇を容認、世論とずれ

「即位礼当日賢所大前の儀」に臨まれる皇后さま=いずれも22日午前、皇居・賢所で(代表撮影)

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 皇位継承の最重要儀式「即位礼正殿の儀」が終わった。政府は各国の要人を招き、天皇陛下の即位を国の慶事として盛大に祝ったが、その裏で進む皇位継承の危機を打開する議論は、後回しにするばかり。保守派に配慮し、皇室制度改革に及び腰の安倍政権が長期化する中、女性・女系天皇に寛容な世論とのギャップは際立つ一方だ。

■命運

 皇居・宮殿で最も格式が高い「松の間」。玉座「高御座(たかみくら)」に立たれた陛下を見上げ、安倍晋三首相が「ご即位を祝して」と声を張り上げ、参列者と共に万歳三唱した。

 だが、政府を挙げた天皇一世一代の伝統儀式に立ち会う皇位継承資格者は、皇嗣(こうし)秋篠宮さま(53)と車いすの常陸宮さま(83)だけ。将来の皇統維持の命運は、未成年のために出席しなかった秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さま(13)に懸かっているのが実情だ。

 政権は有識者会議を設置し、安定的な皇位継承策などの議論を始めるとしている。だが、紛糾が予想され、時期は定まっていない。これまでも代替わり儀式が優先として先送りしてきたが、退位特例法の付帯決議が政府に速やかな検討を求めていることもあり「逃げられない時期に来ている」(政府関係者)。

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■慎重

 有識者会議ができても、皇位継承問題の最大のテーマ、女性・女系天皇には踏み込まない公算が大きい。保守派を支持基盤とする首相は八日の参院本会議でも「男系継承が古来、例外なく維持されてきた」と、従来通りの慎重姿勢を崩していない。

 女性・女系天皇を認めた場合、新たな継承順を巡り、陛下の長女愛子さまを推す派と悠仁さま派で綱引きが始まる可能性がある。「代替わりを終えたばかり。波風を立てるタイミングではない」と首相周辺は強調する。

 ネックは、女性・女系天皇に対する世論だ。報道各社の調査では、容認が七割前後に上り、国民の抵抗感は薄い。

 「悠仁さまの代までは継承順を変えず、皇室に男子がいなくなる事態に備えた予防策を考えればいい。不都合な世論を前に、政権は言い訳ばかりだ」。いっこうに動かない制度改革に宮内庁幹部はいら立ちを募らせる。

■重荷

 想定される予防策の一つが、旧民主党政権でも検討された女性宮家の創設。愛子さまらが結婚後も皇室に残り「皇統が途絶えそうになったら、本人やその子に即位してもらえるようにする」(宮内庁幹部)腹積もりだ。

 ただ、ここには秋篠宮家の長女眞子さまの結婚問題が影を落とす。相手の小室圭さんは留学中で、金銭トラブル解消の見通しも聞こえてこない。

 女性宮家創設がとんとん拍子に進み、早期に実現した場合、小室さんが皇室に入ることもあり得る。宮内庁関係者は「今でも騒ぎなのに、結婚に国民の理解が得られるだろうか。眞子さまの気持ちを考えると、強くは出られない」と板挟みだ。

 「国論を二分するような議論は望ましくない」。皇位継承問題に官邸、宮内庁双方からは決まり文句が漏れる。だが、宮内庁幹部の一人は疑問を呈する。「誰も真剣にこの問題に向き合わず、このまま悠仁さま一人に重荷を背負わせるのか。それでいいはずがない」

「即位礼当日賢所大前の儀」を終えられた天皇陛下

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