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【政治】

ハンセン病死亡原告にも一時金 最大180万円 補償法骨子案

 ハンセン病元患者家族の補償を議員立法で目指す超党派国会議員グループの作業部会は二十三日、補償額を最大百八十万円とする補償法骨子案をまとめた。関係者への取材で分かった。二十四日の全体会合で正式に決定し、十一月中にも法案を臨時国会に提出する。元患者本人の補償法施行から十八年を経て、元患者家族の補償の枠組みがほぼ確定した。

 関係者によると、補償対象となるのは元患者の親子や配偶者、きょうだいのほか、同居していたおい、めい、孫ら。親族関係で額に差をつける。六月の熊本地裁判決が認めなかった二〇〇二年以降や米国統治下にあった沖縄の被害も補償するほか、戦前の台湾や朝鮮半島に住んでいた家族も対象とする。

 また訴訟中に死亡した原告約二十人については、法案の対象に含めないが、省令で一時金を支給し、事実上補償する方向で検討。法案前文には「国会」「政府」を主語として、家族への謝罪を記す方向で調整している。

 補償金支給の枠組みは新たに補償法を立法して構築する。家族の被害状況を踏まえた啓発活動が行えるよう〇九年に施行されたハンセン病問題基本法も一部改正する方針。

 六月の熊本地裁判決は原告五百四十一人に一人当たり三十万〜百三十万円(一割の弁護士費用除く)を支払うよう国に命令。七月には安倍晋三首相が控訴見送りを表明し、判決が確定した。政府は訴訟の参加・不参加を問わず新たな補償措置を講じるとしていた。

 元患者本人を巡っては熊本地裁が〇一年、隔離政策を違憲と認め、国に約十八億円の賠償を命令。当時の小泉純一郎首相が控訴を断念し謝罪した。同年、療養所への入所時期に応じて八百万〜千四百万円を支給するよう定めたハンセン病補償金支給法が制定された。

<ハンセン病> ノルウェーの医師ハンセンが発見した「らい菌」による感染症。末梢(まっしょう)神経がまひし、皮膚のただれなどで障害が残る恐れがあるが、感染力は弱い。日本では医学的根拠のないまま隔離が始まり、1931年の旧らい予防法で強制隔離が法制化。不妊手術や中絶手術の強制など、薬の開発で治療法が確立した後も差別や人権侵害が続いた。法律は96年に廃止された。元患者本人の訴訟で熊本地裁は2001年、隔離政策の違憲性を認め国に賠償を命令。今年6月の熊本地裁判決は家族への差別被害を認め、国に賠償を命じた。

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