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【政治】

ユニバーサルデザインタクシー 車いす素通り 乗車拒否めぐり全国一斉調査

山崎恵さんをUDタクシーに乗せる運転手=30日、札幌市で

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 目の前でタクシーが次々素通り−。車いすでも利用しやすいユニバーサルデザイン(UD)にもかかわらず、運転手が操作に不慣れで乗車拒否が相次いでいるとして、障害者団体「DPI日本会議」のメンバーら約百人が三十日、全国各地で乗車や配車を試みる一斉調査を実施した。実際に拒否された参加者もいた。同団体は件数を集計し、今後国や事業者への提言に活用する。

 国は運転手の研修実施を条件に、UDタクシーの導入事業者に対する補助金を整備。バリアフリー化を進めてきたが、東京五輪・パラリンピック開幕まで残り一年を切ってもなお、現場での対応は十分に根付いていない。

 調査は東京都、札幌市、名古屋市、神戸市などで行った。電動車いすを利用する工藤登志子さん(35)は東京・新宿の都庁近くで流しのUDタクシーに乗ろうとしたが、空車四台が素通りした。「乗車まで四十五分かかった。運転手と目が合ったのにスルーされ、切なかった」と工藤さん。

 一方、同団体の佐藤聡事務局長は、東京駅や上野公園、新宿駅の近くで調査。いずれも手を挙げるとすぐにUDタクシーが止まり、運転手が手際よくスロープを設置した。佐藤事務局長は「びっくりした。このように対応できる人が増えてほしい」と笑顔を見せた。

 札幌市の山崎恵さん(40)は、予約したUDタクシーに自宅からスムーズに乗車できたが、運転手の男性は「スロープの設置に十五分もかかるので流しではなく予約がありがたい」と漏らしたという。男性は調査について会社の朝礼で知らされており「今日だけ調査だからちゃんとするのではだめだ」と話した。

<UDタクシー> 高齢者や子ども、障害者も利用しやすいよう設計されたユニバーサルデザインのタクシー。UDは英語のUniversal Designの頭文字。運転手が車内に収納されたスロープを設置することで車いすのままでも乗り込める。事前予約が必要な福祉タクシーと違い、流し営業で気軽に使えるのが特徴。国は東京五輪・パラリンピックを見据え、2020年度までにUDタクシーと福祉タクシー計4万4000台を普及するとの目標を掲げる。

 

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