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【政治】

英語民間試験の延期検討 政府、格差批判を受け

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 二〇二〇年度から大学入学共通テストの英語で導入される民間検定試験を巡り、政府は三十日、実施時期の延期について検討に入った。政府高官が明らかにした。萩生田光一文部科学相の「身の丈に合わせて頑張って」と教育格差を容認するような発言に反発が強まり、与党内で予定通りの実施に慎重論が相次いだ。  (上野実輝彦、川田篤志)

 民間試験は、会場が都市部に集中しがちで、地方在住者には交通費や宿泊費といった経済的な負担が大きい。受験料が一回二万円を超える高額な試験もあり、経済格差や地域格差などの多くの問題がある。

 政府高官は「試験には何万円もかかり、地方の学生は試験を受けるのにも一苦労だ」と、地方の不満を懸念。「いろいろな議論があるから、そんなに急がなくてもいい」と、二〇年度からの実施は慎重に検討する考えを示した。

 自民党内では、文科相経験者のベテラン議員が「全国高校長協会などが反対している。一呼吸置いた方がいい」と指摘。党幹部も「延期論に立つ。謙虚に軌道修正した方がいい」と明言した。

 三十日の衆院文部科学委員会では、萩生田氏が「さまざまな指摘を受け止めながら一つ一つ改善し、二〇年度からの円滑な実施に向けて全力で取り組みたい」と強調した。一方で、立憲民主党の川内博史氏から、試験日程や試験会場をいまだに公表していない実施団体があると指摘を受けると「混乱する事態が新たに確認できたら、考えなくてはいけない」と含みを持たせた。

 野党からは英語民間検定試験を巡る問題点の指摘が相次いだ。国民民主党の城井崇氏は「受験生の費用負担は明らかに増える。試験日程に配慮もなく、受験会場の格差もある」と批判。立民の初鹿明博氏は、文科省が検定料を軽減するよう実施団体に要請している現状を「丸投げだ」と指摘し、困窮世帯などを対象にした支援策を求めた。

 主要野党の国対委員長らは国会内で会談し、野党が国会に提出した実施延期法案を審議するよう与党に要求することを確認。国民の玉木雄一郎代表は記者団に「今国会最大の課題として取り組む。導入は延期し、再検討することを求めたい」と話した。

<英語民間検定試験> 現行の大学入試センター試験に代わって2021年1月から始まる大学入学共通テストの英語に、「読む、聞く、話す、書く」の4技能を測るためとして導入される。英検、TOEFLなど6団体実施の7種類ある。受験する年度の4〜12月までに受けた最大2回分の結果が、センターを通じて大学へ提供され、合否判定の材料になる。全国の大学・短大の6割弱が利用予定。

 

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