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【政治】

進まぬ災害時の障害者・高齢者支援 自治体避難計画 個別作成は14%

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 災害時に自力での避難が難しい障害者や高齢者のために、避難先や手順を個別に定める自治体の支援計画作りが進んでいない。総務省消防庁によると、ほぼ全ての市区町村が災害対策基本法に基づき要支援者の名簿を備えているものの、昨年六月時点で全員の個別計画を作成していたのは、わずか14%だった。民生委員ら支援の担い手不足が背景にあるとみられる。 

 十月の台風19号では、大規模な浸水被害などで高齢者を中心に八十人以上が亡くなった。行政主導での体制整備が急務だ。

 二〇一三年の災害対策基本法改正で、自治体には自力避難が困難な高齢者や障害者、要介護認定を受けている住民を事前に把握し、名簿を作成することが義務付けられた。その上で、各地域の自治会や民生委員らと協議し、支援者や避難先などの個別計画を作成するが、原則として本人から個人情報の公開について同意を得ることが必要だ。

 消防庁によると、昨年六月時点で、全国千七百三十九市区町村の97%に当たる千六百八十七カ所が要支援者の名簿を作成済みだが、全員の個別計画を作成していたのは14%(二百三十九カ所)にとどまった。一部の人の個別計画を作成していたのは43%(七百四十一カ所)で、全く作成していないのは44%(七百五十九カ所)だった。

 個別計画作成は自治体の努力義務とされ、実際の避難誘導などの支援は民生委員や自主防災組織、社会福祉協議会などが担うが、人手不足がネックになっている。熊本学園大の東俊裕教授(障害者福祉論)は「計画を作成することで、事前にどれくらいの支援が必要かを把握できる。行政は民生委員らに任せきりにするのではなく、関係機関と連携して体制づくりを進める必要がある」と話している。

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