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【政治】

日本、技術力で中国対抗 ASEANインフラ支援アピールへ

2021年開業を目指して建設が進む、アーチ形の屋根が特徴のバンスー中央駅。手前は車両基地=2日

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 【バンコク=中根政人、岩崎健太朗】安倍晋三首相は四日にタイ・バンコクで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席し、各国が進める「環境配慮型都市(スマートシティー)」整備への支援をアピールする。背景には、巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げ、東南アジアへの関与を強める中国に対抗する狙いがある。

 「タイの経済発展、交通問題の解決、町おこしへの期待は大きい」

 一日、バンコク北部のバンスー地区。タイのサックサイアム運輸相は、建設が進む新駅近くで開かれた日本からの車両到着を歓迎する式典で、日本側参加者への謝意と開発の意義を強調した。二〇二一年開業予定の新駅は地上三階で二十四のプラットホームを設け、東南アジア最大のターミナル駅を目指す。

 日本の国際協力機構(JICA)が構想立案から携わり、新線整備を含む三千三百億円の事業費のほとんどが円借款で賄われる。一帯の再開発に向けた調査もJICAが引き受ける。ビジネスや買い物、居住の機能が集積し、情報通信技術(ICT)の活用など都市開発に先端技術を生かすスマートシティー構想の一環だ。ASEAN各国では同種の取り組みが盛んだ。

 安倍首相は昨年の日ASEAN首脳会議で、この潮流を引き寄せようと、スマートシティー整備への支援を表明した。今年十月、内閣官房や国土交通省を主体とした官民協議会を設置。政府当局者は「日本の質の高い技術で存在感を示せる分野だ」と意気込む。ASEAN各国の主要都市を支援対象に、企業に民間投資を呼びかける方針だ。

 首相周辺は「開発支援は経済だけでなく、国際貢献として外交戦略と密接につながる」と、この地域での存在感を増すことの意義を強調する。

 一方で、中国にとっても東南アジアは「一帯一路」の最重点地域。積極投資は各国から好意的に受け止められている。国有企業主体で政府の思惑に沿い、動きが速い傾向にあるため、日本の企業は投資リスクを見極めている間に先を越されるケースもある。

 みずほ総合研究所の酒向浩二上席主任研究員は「ASEAN各国は、中国からの高速鉄道や電子商取引分野の投資を内需拡大につながるとして受け入れている。スマートシティーもその延長線上にあり、日本(の技術)が進んでいる分野で勝機は大きい。今後は、政府の呼び水に民間がどこまでついてくるかが鍵だ」と指摘する。

日本からの新型車両到着を祝う日タイ関係者=1日、いずれもタイ・バンコク北郊のバンスー地区で(岩崎健太朗撮影)

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