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【政治】

働く高齢者の年金減額 就労抑制「根拠なし」

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 働いて一定以上の収入がある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金制度」で、政府が現行では高齢者の働く意欲をそぐとして検討している六十五歳以上の年金減額基準の引き上げについて、厚生労働省は十三日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会で、根拠となる客観的データが存在しないことを明らかにした。同省担当者が「就業抑制的な見方から、いま明確な根拠があるわけではない」と認めた。

 同省は十月九日の年金部会で提示した資料で、慶応大の山田篤裕教授が今年発表したデータを紹介。在職老齢年金制度により、男性は六十二〜六十四歳で約10%、女性は六十〜六十一歳で約20%、それぞれ就業率を押し下げることが確認されたが「六十五〜六十九歳では就業抑制効果を確認できない」としていた。

 十三日の年金部会では、一部の委員から年金減額基準の引き上げについて「就労抑制効果が調査研究などで確認されておらず、所得再分配や年金財政への影響が懸念される見直しについては慎重な検討が必要」との意見も出た。

 在職老齢年金制度については、安倍晋三首相が十月十一日の衆院予算委員会で「人生百年時代を見据え、高齢者の就労意欲を阻害しない観点からの見直しが必要と考えている」と答弁。一方で中西宏明経団連会長は九月に開かれた政府の全世代型社会保障検討会議で「経営者から見ると、意欲を減退させることはない」と異論を唱えたが、議事録には記載されなかった。 (村上一樹)

 

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