東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

ハンセン病、支援不足背景 元患者129人 療養所再入所

写真

 全国の十三国立ハンセン病療養所を退所後、療養所に戻った元患者が二〇〇九〜一八年度の十年間で延べ百二十九人に上ることが、厚生労働省への取材で分かった。施設外での医療・介護態勢への不安や、社会に残る偏見や差別などが背景にあるとみられる。元患者が社会で安心して暮らすための支援が不足する実情が浮き彫りになった。

 厚労省が九月、各療養所に聞き取りなどの調査を実施し、再入所者が年間延べ九〜二十人いたことが判明した。十三療養所のうち、再入所者が最も多かったのは長島愛生園(岡山県瀬戸内市)の延べ三十二人。次いで多磨全生園(東京都東村山市)の延べ二十一人、菊池恵楓園(熊本県合志市)の延べ二十人など。

 今年五月時点で十三療養所の入所者(千二百十一人)の平均年齢は八五・九歳。調査では再入所の理由は尋ねなかったが、同省は、高齢化に伴う生活の不自由さの他、偏見や差別に対する恐れなども背景にあるとみている。

 施設外での生活に伴う難しさは、元患者らを支援する民間団体が一六〜一七年に実施した退所者ら百五十五人の実態調査でも浮かび上がる。

 東京の社会福祉法人「ふれあい福祉協会」が退所者らに困っていることを尋ねると、最も多かった回答は医療や介護の態勢への不安に関するものだった。「重度の障害になったらどうするか」「在宅生活が難しくなった時の居場所」がいずれも34・8%。差別や偏見が障害になっているとの回答も多く、「差別や偏見がある」34・2%、「病歴を明かして医療を受けづらい」23・9%、「(同じ理由で)介護を受けづらい」19・4%あった。

 再入所に関する質問では回答した百三十六人の26・5%が希望すると答えた。理由は「高齢で自宅での生活が困難」「病歴を明かせず、満足な介護をしてもらえない」などだった。一方、39%は希望せず、理由は「社会で死にたい」など。35・3%は「今は考えていない」とした。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報