東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

海賊版対策 規制対象縮小へ 漫画「一部」ダウンロード容認案 

 文化庁は二十七日、人気漫画などを無断で公開する海賊版サイト対策として、違法ダウンロード規制の在り方を話し合う有識者検討会の初会合を開いた。漫画を含む著作物全般に規制の網を掛ける当初案について、作品の一部だけをダウンロードするような軽微な行為は対象外とするなど、規制範囲を絞り込む新たな案を示し、おおむね了承を得た。

 「規制対象が広すぎる」といった批判に一定の配慮を示した形だが、世論の理解を得られるかどうかは見通せない。同庁は来年一月ごろまでに検討会で詳細を詰め、次期通常国会での著作権法改正案提出を目指している。

 新たな提案は、数十ページで構成する漫画の一コマなど軽微な違法ダウンロードは規制対象外と明記。スマートフォンなどでのスクリーンショット(画面保存)で違法画像が写り込んだ場合も、違法とならないとした。

 さらに、違法となる行為を(1)著作者の原作のままダウンロード(二次創作やパロディー作品は除外)(2)作品全体を丸ごとダウンロード(3)著作権者に了解を得ていない違法な海賊版サイトからのダウンロードに限定−などに絞り込むかどうかを検討課題に挙げた。

 この日の会合で委員からは、海賊版サイトからのダウンロードに限定する案について「海賊版サイト以外での著作権侵害も深刻だ」との反対意見や、「限定したほうが理解を得られやすい」との賛成意見が出た。

 現行では、違法ダウンロードの規制対象は音楽と映像に限定されている。文化庁の当初案は、これを漫画や小説、写真といった「静止画」を含む著作物全般に拡大し、悪質な行為には刑事罰を科す内容だった。これに対し「ネット利用を萎縮させる」との批判が相次ぎ、三月に法案の国会提出を見送っていた。

<海賊版対策> 著作権者の了解を得ない漫画などを違法に掲載し、ダウンロードさせる海賊版サイトの急増を受け、政府が昨年4月、緊急対策に乗り出すと表明。利用者による違法ダウンロード規制のほか、海賊版サイトに利用者を誘導するリーチサイトの規制強化を打ち出した。一方、海賊版サイトの閲覧を強制的に止める「接続遮断(ブロッキング)」の法制化も目指したが、憲法が保障する「通信の秘密」を侵害する恐れがあるとの慎重論が強く、断念した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報