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【政治】

首相官邸インスタグラムに嵐との写真投稿で批判の嵐

写真共有アプリの首相官邸アカウントに掲載された安倍晋三首相(右)と嵐のメンバーの写真(安倍首相のツイッターより)

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 安倍晋三首相が11月30日夜、東京ドームであった人気アイドルグループ「嵐」のコンサートに足を運んだ。その直後、メンバーと一緒に写った写真とコメントを写真共有アプリ「インスタグラム」の首相官邸アカウントなどに掲載。すると批判が殺到した。なぜ怒りを買ってしまったのか。(稲垣太郎)

 「嵐のメンバーの皆さんに、本日は、直接、感謝の気持ちを伝えることができました」。同日夜、インスタグラムに安倍首相のメッセージと、嵐のメンバーと笑顔で対面している写真がアップされた。

 「感謝の気持ち」は、十一月九日夜に皇居前広場で行われた天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」の祝賀式典で、「嵐」のメンバー五人が奉祝曲を披露したことに対するものだった。

 ツイッターに転載すると、九・七万件の「いいね」が付く一方、「嵐はいいから、国会出て説明してください」「芸能人を利用するのはいいかげんにしてほしい。いま多くの国民が怒っているのが分からないのですか」と批判的なコメントが相次いだ。

 嵐のファンはどう思っているのだろうか。

 「不公平」。神奈川県横須賀市の会社員女性(58)は憤っていた。この女性はCDをすべて発売日にレコード店で買う。しかし、嵐のコンサートへ行ったことがない。チケットの入手が難しいからだ。

 そもそも、会費を払ってファンクラブに入らないと、チケットの入手はほぼ不可能。入っていたとしても、競争率の高い抽選に当たらなければ買えない。それであきらめていたのだ。女性は「権力を使ってコンサートを見るのはひどい」と怒りが収まらない。

 怒っていないファンもいた。大津市の主婦は「安倍首相が来るからといって、その分の席がなくなるわけではないはず」。夫や長男もファンクラブに入り、チケットの抽選に備えている。愛知県豊橋市の主婦も「首相が来てくれたのだから悪いことだとは思わない」と話した。やはり、家族四人ともファンクラブに入っている。

 「あの日は、嵐のコンサートのライブビューイングのチケットの抽選結果が発表された日だった」。インターネット放送局「OurPlanet―TV」の白石草代表はそう振り返る。

 嵐は十二月二十五日に東京ドームでコンサートをする。その模様が各地の映画館でコンサートと同時に上映される。これがライブビューイング。コンサートに行けないファンクラブ会員向けの催しだ。

 このチケットすら抽選で、結果発表が官邸のインスタグラムと同じ日。親子そろってファンクラブに入っている白石さんは、抽選に外れた。

 「ネット上には『当たったー』『落ちたー』の声が上がっていた。そんなところに安倍首相のツイッターなどが流れてきた」。神経を逆なでされたファンも当然いただろう。

 さらに、白石さんは「桜を見る会で安倍首相は芸能人をはべらせていた。有名人に会ったり、電話をかけているところを撮らせたりして、その人たちと『お友達』と見せつけ続けてきた。そのことに嫌気がさしている人がいるだろう」と語った。そんなこんなで、批判コメントが相次ぐことになったようだ。

(2019年12月4日朝刊「特報面」に掲載)

 

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