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【政治】

地上イージス 秋田見直し 反発に配慮、政府検討

秋田市の陸上自衛隊新屋演習場(手前)。奥は秋田市街地=2018年7月

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 政府は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、秋田市の陸上自衛隊新屋(あらや)演習場への配備計画を見直す方向で検討に入った。複数の政府関係者が十日、明らかにした。住宅密集地に近いことへの批判や、事前調査でミスを重ねた防衛省に対する地元の反発が根強く、理解を得るのが難しいとの異例の判断に傾いた。政府の候補地選定を巡る迷走ぶりが鮮明になった形で、早ければ二〇二五年としている配備時期がずれ込む可能性が出てきた。

 新たな配備先については、新屋演習場を選定した過程で浮上した、秋田県内を含む別の十九カ所を中心に検討するとみられる。十九カ所は、陸自弘前演習場(青森県)のほか、青森、秋田、山形各県にある十八の国有地。地上イージス配備では、防衛省の調査ミスが問題化した経緯があり、政府は外部業者に委託して再調査を実施している。新屋演習場と比較した分析結果を最短で来年三月ごろに取りまとめる予定だ。

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 菅義偉(すがよしひで)官房長官は住宅地との距離を考慮するよう既に防衛省へ指示。政権幹部は「再び新屋演習場を選ぶのは難しい。住民の理解が一番重要だ」と強調した。陸自幹部も「住民感情を考えると、新屋演習場が適地とは言えない」と説明。河野太郎防衛相は六日の記者会見で「さまざまな要素をゼロベースで公平に判断していきたい」と話した。

 地元では、地上イージスのレーダー施設の設置場所から住宅地まで七百メートルしか離れていないことを踏まえ、レーダー波による人体への影響に対する懸念が拡大。防衛省のずさんな事前調査を受け「新屋演習場ありきだ」として根強い反対が噴き出していた。

 秋田県の佐竹敬久知事は二日の県議会で、新屋演習場への配備について「非常に無理がある」と強調。秋田市の穂積志市長も五日の市議会で「常識的に候補地から除外されると思う」と話した。

 防衛省は新屋演習場と、陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)の計二カ所を候補地として選定。防衛省は、むつみ演習場が候補地として適しているとの再調査の結果をまとめ、十七日に山口県に説明する方針だ。

<イージス・アショア> イージス艦と同様のレーダーやミサイル発射装置で構成する地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム。陸地に設置するため、イージス艦と比べ常時警戒が容易で、部隊の負担軽減につながるとされる。政府は北朝鮮対処を念頭に2017年に2基の導入を閣議決定した。陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(山口県萩市、阿武町)を配備先として適地とした防衛省の調査でミスが発覚。防衛省は地元の猛反発を受け、再調査を決めた。

 

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