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【政治】

参院議員宿舎の家賃、庶民感覚と大きなズレ

都心の超一等地に位置する参院清水谷議員宿舎(手前中央)。奥はホテルニューオータニ=東京都千代田区で、本社ヘリ「おおづる」から

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 老朽化に伴って建て替え中の参院清水谷議員宿舎(東京都千代田区紀尾井町)の家賃が、参院議院運営委員会の理事会で決まった。国会議員宿舎の家賃は、これまでも相場に比べて格段に安いとの批判が絶えなかったが、今回も同じような金額になった。国会議員の意識は、どうしてこうも一般と乖離しているのか。(稲垣太郎)

◆紀尾井町の新築3LDKが15万8600円

 東京メトロ赤坂見附駅を出て間もなく。八階建ての建設中の建物が目に飛び込んでくる。道路の向かいにあるのは、安倍晋三首相の後援会が「桜を見る会」の前夜祭を開いた会場として注目を集めたホテルニューオータニ。周囲には値段の高そうな飲食店や高層ビルなどが立ち並び、鳥の鳴き声を聞きながら憩いのひとときを過ごせそうな公園もある。国会まで歩いて十分余りという立地だ。

 五十六戸が入る清水谷宿舎は来年三月に入居が始まる。それを前に決まった家賃は、3LDK(八十一平方メートル)が月十五万八千六円、1LDK(五十六平方メートル)は同十万九千二百三十九円。参院事務局によると、国家公務員宿舎法施行令に基づいて他の議員宿舎に比べて高い基準になったというものの、地元不動産会社の女性社員は「八十一平方メートルの3LDKの新築なら約四十万円、五十六平方メートルの1LDKでも三十万円近くはする」と話した。

◆他にも都心の一等地、いずれも相場の数分の一

 議員宿舎は他に、参院の町(千代田区)、衆院の新赤坂(港区)と青山(港区)がある。いずれも国会から数キロ圏内という都心の一等地にありながら、家賃は清水谷同様、相場の数分の一。〇七年に二十八階建ての新赤坂宿舎ができた際は、「豪華批判」を恐れた一部議員が一時期、民間の賃貸住宅で暮らす珍現象が起きている。

 議員宿舎はもともと、地方選出の国会議員のために建てられたもので、入居できるのは都内や近郊に住居がない場合に限られる。議員宿舎は必要だとしても、多額の税金を投入している現状には根強い批判がある。

 また、国会議員には年約二千二百万円の歳費が支払われるほか、非課税の上に使途の公開義務がない「文書通信交通滞在費」が月百万円支給されている。新幹線のグリーン車を含めてJRを無料で利用できるパスが配られたり、地元が東京から遠い議員は三〜四往復分の航空券が無料になったりもする。どんなに業績が良い企業でも、単身赴任をしている社員らにここまで大盤振る舞いするケースはないだろう。

◆政治ジャーナリスト「国民目線になってない」

 政治ジャーナリストの野上忠興氏は「自分で宿舎を借り、『実質的に小遣いになっている』とやゆされる文書通信交通滞在費を充てればいいという意見もある。人口や経済が小さくなり、これからさらに先細りするといわれる中、歳費や交通費などを含め、国会議員のあらゆる待遇を見直す時期だ」と訴える。

 先月来、「桜を見る会」を巡り、税金の使い道に対する国民の目が改めて厳しくなっている。政治ジャーナリストの原野城治氏は「国会議員が、税金の使い道をコントロールするという自分たちの役割を果たさなくなっている。国民目線になっていないから有権者は納得できず、政治に関心をなくしていく。もっと議論を深めていくべきだろう」と主張した。

 

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