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【政治】

改正入管法1年 不就学2万人 外国人支援、自治体任せ

 学齢期の外国籍の子ども約二万人が、学校に通えず放置されている。教育基本法が子どもに教育を受けさせる義務を明記しているのは「国民」で、外国人を除外している。各自治体が任意で就学を促しているが、対応にばらつきがあり、「不就学」の児童・生徒が生まれがちだ。外国人労働者のさらなる受け入れ拡大を決めた改正入管難民法の成立から一年。関係者からは、法改正や支援の仕組みづくりを求める声が強まっている。 

 二〇一八年十二月に改正入管難民法が成立した当時から、専門家らの間で、外国人の子どもの不就学増加への懸念が指摘されていた。文部科学省は今年五〜六月に初めて、全国調査を実施。小中学校だけでなく外国人学校にも通っていない、不就学の可能性がある外国人の子どもが、一万九千六百五十四人いることが分かった。外国人受け入れ拡大の一方で、生活者として迎える体制の不備が示された。

 外国人は子どもを就学させる義務がなく、対応は各自治体に委ねられている。愛知淑徳大の小島祥美(よしみ)准教授(教育社会学)によると、転入手続きにきた外国人家族に学齢期の子どもがいる場合、就学を促す例が一般的だが、方法などは担当者任せで、全く促さない場合も問題にならないという。

 小島氏は「法律上義務でないため、就学促進が行政の『職務』になっていない。自治体の職務を定める『分掌規程』に、『外国人の子どもの就学支援・教育の充実』が職務であることを明記するよう、国が促す必要がある」と改善策を提言する。

 実態把握も遅れている。文科省の同調査では、対象の千七百四十一市区町村に、就学状況が不明または不就学の外国人の子どもに関して状況把握や就学促進をしているか聞いたところ、「特に実施していない」が65・3%を占めた。

 行政の対応遅れを、民間が補う例も少なくない。NPO法人「青少年自立援助センター」(東京都福生市)は九年前に定住外国人の子どもの支援事業を始めた。

 これまでに三十五カ国の約七百五十人が日本語などを学んだ。自治体の就学支援や学校の受け入れ態勢が不十分で就学できなかった子どもらだ。

 萩生田光一文科相は五日の参院文教科学委員会で、「外国人の子どもたちが共生社会の一員として未来を切り開けるようにするには、教育機会を提供することが極めて重要だ」と、不就学の子どもが学校に通える環境整備を進める考えを示した。 (坂田奈央)

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