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【政治】

<こうなる2020>(1)憲法 首相、改憲へ解散にらむ

 安倍晋三首相は二〇二〇年も、悲願とする改憲実現に向けて衆参憲法審査会での議論を呼びかける。首相は「決してたやすい道ではないが、必ずや私自身の手で成し遂げていきたい」と改憲への意欲を隠さない。一日付で発表した年頭所感でも「国のかたちに関わる大きな改革を進める。その先にあるのが憲法改正だ」と強調した。

 一月召集の通常国会で首相や自民党は、国民投票法改正案の成立を目指す。一九年秋の臨時国会では、衆院憲法審で二年ぶりに議員による「自由討議」が行われた。通常国会でも自由討議を重ね、改憲原案の策定を急ぐ考えだ。

 主要野党は対決姿勢を強め、安倍政権での改憲に応じない方針だ。衆参憲法審での審議は首相や自民党の思惑通りには進まず、現時点では、二一年九月までの自民党総裁任期中の改憲施行は簡単ではない。

 首相は一九年参院選で、改憲の「議論を進める政党かどうか」を争点にした。議論が進まない状況を転換し、改憲の推進力を得ようと衆院解散・総選挙を仕掛ける可能性がある。衆院議員任期満了は二一年十月。臨時国会閉幕を受けた先月の記者会見では「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」と語った。

 時期はいつか。選択肢の一つとみられるのは通常国会開幕後早々。経済対策を盛り込んだ一九年度補正予算案を成立させた直後だ。

 合流で基本合意した立憲民主党や国民民主党など野党の準備が整わないうちの解散は、与党に有利な展開となる可能性がある。首相主催の「桜を見る会」の問題や、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の汚職事件で打撃を受ける中、解散は難しいとの見方が支配的だが、局面打開を図る可能性もゼロではない。

 もう一つは東京五輪・パラリンピック後の秋の臨時国会。大型行事の終了を追い風にしたい考えだ。

 現在、党総裁三期目の首相は四選を「考えていない」と繰り返す。それでも衆院選で勝てば、党則を変更して四選を認めるべきだとの声が出るとみられる。四選されれば、首相は改憲実現へ十分な時間を得る。

 だが、国会が発議権を持つ改憲を理由に首相が解散権を行使することには、与党内にも批判が根強い。参院に加え衆院でも「改憲勢力」が国会発議に必要な三分の二を割ることもあり得る。首相にとって賭けだ。

 任期が近づくにつれ、国民や党内の関心が「ポスト安倍」へ向き、求心力低下は避けられない。五輪・パラリンピック成功を花道に、影響力を残して身を引くこともないとはいえない。

 首相はその場合、改憲実現を条件に岸田文雄政調会長らを後継指名するとみられる。総裁選で選ばれた次の首相がどう改憲の道筋を付けようとするかが焦点になる。 (後藤孝好)

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 二〇二〇年はどう動くのか。国民生活に関係が深い分野の担当記者が探った。

 

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