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【政治】

「桜」ゼロ回答 発言27秒 「招待者、個人情報」繰り返す

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 安倍晋三首相は六日の三重県伊勢市での年頭記者会見で、記者団が首相主催の「桜を見る会」の招待客に関して詳しく説明を求める質問をしたのに対し、従来の回答を短く繰り返しただけに終わった。看板政策とする社会保障制度改革を冗舌に語り続けた姿勢と対照的だった。

 桜を見る会を巡っては、マルチ商法を展開したジャパンライフの山口隆祥(たかよし)元会長に、首相から招待状が届いたことを宣伝に利用されたことが問題視された。政府は招待客について、個人情報であることを理由に具体的な回答を避けてきた。

 会見では、内閣記者会の幹事社が「元会長が招待されたと自ら明らかにしている以上、個人情報に当たるとは言えない」として、招待した事実の有無をあらためて聞いた。政府が招待客名簿を破棄したとしていることを踏まえ「名簿がなく、確認できないなら、聞き取り調査などで調べる考えはあるか」とも尋ねた。

 首相は「個々の招待者は個人に関する情報であるため、従来回答を差し控えている」と答えるにとどまった。会の招待基準の明確化や見直し作業の進め方などの信頼回復策にも触れなかった。

 その上で、世論調査で国民の多数が政府の説明を不十分としていることを受け「国民からさまざまな批判があることは十分に承知している。世論調査の結果を謙虚に受け止め、丁寧に対応していきたい」と話した。約二十七分間に及んだ会見で、桜を見る会に関する回答に費やした時間は三十秒に満たなかった。

 一方で他の質問には三分以上かけて答えた。中でも首相は「内閣の最大のチャレンジ」と位置付ける社会保障制度改革には冒頭発言を含め計六分超を割き、厚生年金の適用対象拡大や子育て世代の負担軽減といった持論を展開した。

 高齢者の就労促進に関し「八割の高齢者が六十五歳以上になっても働きたい意欲を持っている」と指摘。本紙によるファクトチェック(事実確認)では、八割は「仕事をしている人」に限って統計を再処理した結果で、高齢者全体では五割強。首相は誇張した数字による説明を繰り返した。 (上野実輝彦、川田篤志)

 

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