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【政治】

政府少子化対策 8割近く未達成 77項目 内閣府調査

 政府が2015年に定めた少子化対策の77項目の数値目標のうち、内閣府が調査をまとめた19年11月時点で達成したのは、2割にとどまることが分かった。目標期限の多くは今年3月までで8割近くが達成できない可能性がある。保育所などの利用希望者の増加に、施設整備が追いついていないことが主な原因だ。 (川田篤志)

 政府は一五年三月に閣議決定した「少子化社会対策大綱」で、本年度末までの五年間を少子化対策の集中取組期間と位置付け、国や地方自治体、企業が取り組む対策について、七十七項目の数値目標を掲げた。

 目標を達成したのは約二割の十七項目。認可保育所などの定員は一四年四月の二百三十四万人から一九年四月に三百六万人に増え、一七年度末までに二百六十七万人にするとの目標を上回った。

 それでも、保育所の待機児童数は「解消を目指す」という目標にはほど遠い。一四年の約二万一千人からは減ったが、一九年四月で一万六千人以上に上る。

 共働きやひとり親家庭の小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)も、同じ構図が当てはまる。受け入れ可能な児童数は目標を達成したが、定員超過などによる待機児童は一八年五月で一万七千人以上。「解消」への道筋は見えない。

 目標が達成できていない項目には、企業の理解や支援が必要な対策もある。第一子を出産する前後の女性の継続就業率は53%にとどまり、男性の育児休暇取得率は6%に低迷している。

 内閣府の担当者は「これだけ多くが達成できてないことを受け止め、対策を進めていきたい」という。政府は大綱を五年ごとに見直しており、三月までに第四次大綱を閣議決定する。

 安倍政権は少子化を「国難」と位置付け、若い世代が希望通りの数の子どもを持てる目標として二五年度末までの「希望出生率一・八」実現を掲げる。だが、一九年の推計出生数は一八九九年の統計開始から初めて九十万人を割り込み、過去最少の八十六万四千人に落ち込んだ。

 少子化に関する著書がある川本敏・元帝京大教授(経済政策)は「これまでの少子化対策は働き方改革や保育所の充実に重点を置き、未婚化や晩婚化の改善策が極めて不十分だった」とし、非正規労働者の正社員化や最低賃金の引き上げなど、若者らの経済基盤の拡充が必要だと指摘する。

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