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【政治】

年金、2年連続目減り 20年度、物価上昇下回る0.2%増

 厚生労働省は二十四日、公的年金の二〇二〇年度の支給額を前年度比0・2%引き上げると発表した。二年連続のプラス改定だが、物価の伸びに比べると上昇幅は小さく、実質的な年金の価値は目減りする。年金財政を維持するため、支給額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」という仕組みが原因。〇四年にこの制度を導入して以来、初めて二年連続で実施された。年金を収入の柱とする高齢者の家計には痛手となる。

 年金額は毎年、経済動向を踏まえて改定される。今回は指標となる物価、賃金がともに上昇。今回の算定基準となる賃金上昇率の0・3%からマクロ経済スライドで0・1%を圧縮し、0・2%増に抑えた。

 厚労省の発表によると、二〇年度の国民年金の支給額は、保険料を四十年間納めた満額で月六万五千百四十一円(一九年度比百三十三円増)、厚生年金は平均的な給与で四十年働いた夫と専業主婦のモデル世帯で月二十二万七百二十四円(同四百五十八円増)。新たな額は、六月に受け取る分から反映される。

 額を抑制しなければ、計算上は国民年金で月約二百円、厚生年金のモデル世帯で約七百円の増額だった。

 前回の一九年度の改定では、賃金上昇率0・6%に対し、年金の伸びは0・1%増に抑制。安倍晋三首相は昨年七月の参院選で「経済政策で年金を増やすことができると証明した」と訴えたが、実質的価値は今回同様に目減りしていた。

 公的年金を巡っては、金融庁の審議会が昨年六月に発表した報告書で、老後は夫婦で二千万円の蓄えが必要と試算。年金だけでは老後の生活費が不足するとの不安が広がり、麻生太郎副総理兼金融担当相が直後に報告書を撤回した。

 昨年八月に公表された公的年金の財政検証は、標準的な経済成長が見込まれるケースでも、年金給付の伸び率を二十年以上抑制し続けることを想定。現役世代の手取り平均収入に対する年金給付水準の割合を示す「所得代替率」は一九年度の61・7%から四七年度には50・8%に低下すると試算した。(村上一樹) 

 

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