東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

障害者自立、実践の20年 さいたま「虹の会」藤井さん あす「葬式代を集める会」

電動車いすに座り、仲間と酒を楽しむ生前の藤井さん=さいたま市桜区の虹の会本部で(斉藤茶微江さん提供)

写真

 さいたま市の障害者団体「虹の会」が24日、1月に38歳で急逝した藤井義則・前事務局長の「葬式代を集める会」を市内のライブハウスで開く。進行性の難病・筋ジストロフィーでありながらアパートで一人暮らしするなど、自ら実践しながら障害者の自立支援活動を約20年続けた藤井さん。当日は遺作の動画作品を上映し、「旅立ち」の費用もカンパなどでの「自立」を目指す。 (谷岡聖史)

 藤井さんが亡くなったのは元日。アパートの自室で倒れているのを、事実婚の妻で虹の会メンバーの斉藤茶微江(ちゃびえ)さんが見つけた。「前日も笑顔で話していた」といい、詳しい死因は分からない。

 さいたま市出身で、特別支援学校の高等部を卒業するまでは県内の筋ジス病棟で生活していた。他の患者がそのまま病棟にとどまる中、卒業と同時に病棟を出て実家に移り、自立を目指した。一般企業で働くなどし、十九歳の時に虹の会に参加。二十一歳ごろ、アパートでの一人暮らしを始め、電動車いすも使うようになった。

 障害者が親元や施設以外の場で暮らすのは難しいのが実情だ。自立のための社会制度が不十分だと実感し、行政との交渉の先頭に立った。市に介助者の時間制限枠を拡大させるなど改善を実現。実務にたけた一方、酒や競馬が好きなくだけた人柄で慕われた。

 突然の死で、虹の会は中心人物を失っただけでなく、金銭的な問題も浮上した。年末年始で斎場が混んだため、葬儀が約二週間後となり、安置費用がかさんだ。葬儀には約百人が参列したが、約百万円が不足し、他のメンバーが立て替えた。

 遺族に援助を求めることもできなくはない。だが、斉藤さんは「藤井は親に頼らずに自立して生きてきた。親に費用を出させるのは、きっと本意ではないと思う」と亡き「夫」の気持ちを推し量った。今回の会については「藤井を知らない人にも来てもらい、私たちの活動を応援してほしい」と呼び掛けている。

 藤井さんは、虹の会のバンド「スーパー猛毒ちんどん」のライブや、障害者のユニークな日常を動画作品として編集、ネット配信もしていた。会当日は、約百本の中から印象的な九本を上映する。

 「葬式代を集める会」は二十四日午後五〜八時、さいたま市中央区下落合のライブハウス「ホレホレ」で。会費二千円(食事、ドリンク一杯の料金込み)。カンパも募っている。問い合わせは、虹の会=電048(851)7558=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報