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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW>浦和、ACL圏へ王者の意地 神戸に4発快勝

 入場券は完売、今季のJリーグで最多となる5万5689人の観客を集めた埼玉スタジアムで浦和レッズ対ヴィッセル神戸、J1第27節の試合が23日に行われた。しかし、大観衆の「お目当て」だった元スペイン代表のアンドレス・イニエスタは前節の試合で負ったケガの影響でベンチにも入らず、詰めかけた人たちをガッカリさせた。

 それでもレッズのファン、サポーターにとっては悪くない試合となった。前節の時点で神戸は8位、浦和は9位とテーブルのすぐ上にいた相手を4−0と粉砕して順位をひっくり返したからだ。

 神戸はロシア・ワールドカップ(W杯)の直後に加入したイニエスタに続いて、今度はスペインでも希代の戦術家として知られるファンマ・リージョ監督と契約、この日はまだ就労ビザの関係でベンチに入って指揮を執ることはできなかったが、FCバルセロナに通じる「ポゼッション(ボールを保持する)・サッカー」を高めようと、着々と態勢を整えていた。

 対して浦和のオズワルド・オリベイラ監督は「守備を安定させるために」これまでの2(ドイス)ボランチ(守備的MF)を3(トレス)ボランチに変更し、青木拓矢を中心に長澤和輝、柏木陽介を中盤に並べ、相手のボール保持に対して距離の近い選手がその都度対応できるように対策を講じた。

 序盤こそ神戸にボールを支配されたものの、23分に柏木が左からクロスを上げ相手DFが頭に当てたが、これを長澤が胸で落とし、走り込んだ青木がミドルシュートを決めて先制した。くしくもボランチの3人が絡んで挙げたゴールによって、レッズは試合の流れを引き寄せた。

 素早いチェックで相手ボールを奪えるようになり、そこから柏木の縦パスを興梠(こうろき)慎三が決めるレッズの看板ともいえる二人の連係で追加点。ますますレッズの強みが発揮された。後半にも武藤雄樹、長澤が加点して、相手の攻撃は最後まで封じ、4−0と最高の結果につなげた。

 中断明けの好調から24節名古屋(1−4)、25節C大阪(1−2)と連敗して失速し、C大阪戦では出場8試合で6得点の新戦力ファブリシオを負傷で失うなど、悪い流れに引き込まれていたが、26節で横浜F・マリノスに競り勝ち、神戸に快勝して断ち切った。その意味でもこの勝利は大きい。3ボランチのシステムを今後も継続するのか、対戦相手によって変えていくのか、そこはまだ見えないが、効果的なオプションが生まれたのは事実。今後の戦いの幅を広げた。

 J1の残り試合は7。逆転優勝は現実的ではないが、選手たちが「3位以内が見えてきた」と口々に話したように来季のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を確保したい。そこは現チャンピオンとして譲れないところだ。第27節終了時点で3位のFC東京の勝ち点が43でレッズは38、その差は5ポイント。残り試合の中に4位鹿島アントラーズ、FC東京との直接対決も含まれており、実現の可能性は十分ある。 (サッカージャーナリスト)

 

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