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【埼玉】

「秩父離れ」歯止めを 深刻な人手不足、50社が面接会

求職者に自社をPRする企業の採用担当者たち。秩父地域の人手不足は深刻だ=秩父市で

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 全国的な人手不足が続く中、大学や短大などがない秩父地域での人材確保の難しさが深刻化している。新卒の若者たちが利便性の高い東京都内や県南などに就職先を求め、秩父に定着しない傾向にあるためだ。秩父市熊木町の秩父宮記念市民会館で19日に開かれた合同就職面接会には、過去最多の50社が参加し、求職者たちに魅力をアピールする姿が見られた。 (出来田敬司)

 秩父市役所に隣接した市民会館のけやきフォーラム。企業の担当者が長机の前で、求職者を待ち受ける。「多様な働き方実践企業」「職場定着協力事業所」−。長机の上には社名とともに、県や労働局からの「お墨付き」の称号が掲げられ、働きやすさをPR。ただ、著名企業や地元スーパーなど求職者が次々に訪れる社もあれば、レジャーや福祉関連などは人がまばらで、企業の知名度や業種が明暗を分けた様子だった。

 面接会は、市雇用創造協議会と秩父地域雇用対策協議会、ハローワーク秩父の主催。製造業、ホテル業、鉱業、社会福祉法人など、秩父地域に事業所を持つ企業や団体が参加した。

 一方、求職者は来春の大卒・高卒予定者のほか、転職希望者も含む秩父地域内外の百十六人が来場。寄居町の無職男性(20)は「祖父母が秩父市内に住んでおり、秩父での就職を考えている。保険代理店で接客の仕事をしてみたい」。横瀬町の女子短大生(19)は「医療事務を希望していたが、製造業の組み立て作業の方が性に合っていそう。有給休暇が取れるところがいい」と希望する。

 県内の「有効求人倍率」は八月現在、一・五五倍。求職者百人に対し、百五十五人分の求人がある人手不足の状態だ。中でも、秩父地域は厳しさを増しており、秩父市雇用創造協議会によると、市内では特に建設や福祉関連で深刻という。

 地元では、山間部が多い秩父地域は若者が不便なイメージを抱きやすいと危惧する声が多い。大学や短期大、高等専門学校が一校もないことも、新卒者の「秩父離れ」に拍車を掛けているとされる。

 横瀬町の石灰関連会社の担当者は「あと二人ほしい。給与や福利厚生は充実していると思うが、知名度がない。埼玉といっても、秩父で就職となると二の足を踏むようだ」

 秩父市に本社を置く精密研磨会社の担当者も「新卒でも中途でもいいので、来てもらいたい。ただ、二十四時間稼働の交代勤務だから、若い子は嫌がるんだよね」と焦りを見せていた。

 

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