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【埼玉】

「現代の名工」に県内から6人 さいたま在住・表具師 塚田孝司さん(70)

ふすま紙にのり付け作業をする塚田さん=さいたま市で

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 伝統工芸や工業技術などの分野で優れた技能者を厚生労働相が表彰する本年度の「現代の名工」に、県関係者六人が選ばれた。このうち、ふすまなどを製作する表具師で、県技能士会連合会副会長の塚田孝司(たかじ)さん(70)=さいたま市岩槻区=に喜びの声や仕事へのこだわりなどを聞いた。 (藤原哲也)

 「選ばれたのは大変なこと。しっかり自覚し、今後もいい仕事を続けたい」。人形のまち・岩槻にある先代から継いだ「山下表具店」の作業場で、塚田さんは手を止めて笑顔を見せた。

 周囲に職人が多かった影響で二十歳から表具師の道に。義父に当たる親方らの下でふすまや額装、掛け軸、びょうぶなどあらゆる表具の製作を地道に学んだ。ひと昔前は住宅開発と人口増加で仕事はひっきりなし。「断ることもあるぐらい忙しかった」と懐かしむ。

 ふすま一枚でも、土台の骨組み作りから妥協しない。骨組みと下張り紙の接着面が均一になるよう、十種類以上のかんなを使って慎重に削る。「刃が切れないと、材質によって仕上げに差が出る。だから、昔は毎日、刃を研いでいた」。のり付け作業のはけも十本以上使い分けるこだわりだ。

 時代の流れで住宅様式が変わり、表具の仕事は減ったが、クロス張りなど内装全般の仕事をこなしながら、腕を発揮。「もっといい仕事を」との思いで表具と向き合う日々が続く。

 現在は、技能競技大会に出場する選手への指導や、子ども向けに開くものづくり体験教室を通じて技能の伝承にも積極的だ。川越少年刑務所では長年、職業訓練の指導員を務めている。

 「時代は変わっても、教え子の中から何人かは職人になってほしい。表具師の仕事も守っていきたい」。受賞を機に職人としての決意を新たにしている。

 現代の名工に選ばれたほかの県関係者は次の皆さん。 (敬称略)

 布川活治(76)=かわらふき工・さいたま市岩槻区▽宮地正己(70)=手込め造型工・川口市▽宮前守(58)=建築大工・川島町▽吉田武(75)=七宝工・川口市▽秋間知子(81)=婦人、子供服注文仕立て職・越谷市

塚田さんが技能競技大会向けに作ったミニびょうぶ

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