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【埼玉】

秩父夜祭「宵宮」で139年ぶり 中近笠鉾曳き回し 来月2日

中心市街地を曳き回される中近笠鉾(いずれも中村町会提供)

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 秩父市の中心市街地で十二月二日に開かれる「秩父夜祭」の前夜祭「宵宮(よいみや)」で、市内に六基ある山車の一つ「中近笠鉾(なかちかかさぼこ)」が百三十九年ぶりに曳(ひ)き回されることになった。中近笠鉾は翌三日の「大祭」時だけ曳行されるのが通例だった。地元関係者は「新たな歴史が生まれる。非常に感慨深い」と喜んでいる。 (出来田敬司)

中近笠鉾の宵宮曳行が記載されていた「御祭礼記録」

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 今回の曳き回しは「全国山・鉾・屋台保存連合会」の総会が十二月一、二日に市内で開かれるのを祝うのが目的。京都の祇園祭、岐阜県・飛騨の高山祭など三十七カ所の保存会関係者が一堂に会し、秩父夜祭を観賞する。天皇陛下の在位三十年を記念する意味もあるという。

 秩父夜祭の山車は、宮地、上町、中町、本町(もとまち)の屋台四基と、中近、下郷(したごう)の笠鉾二基がある。これまで、屋台四基は宵宮と大祭の両日に曳行されるのに対し、笠鉾二基は大祭でのみ曳き回されていた。

 ただ、地元に残された古文書「御祭礼記録」を詳しく解析した結果、一八七九(明治十二)年十二月二日、六基が秩父郡役所に勢ぞろいした−との記載があった。これを受け、宵宮での笠鉾の曳き回しの機運が生まれたという。

 中近笠鉾に携わる中村町会祭事部長の井上喜郎(よしろう)さん(48)は、二〇一六年に全国の「山・鉾・屋台行事」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことで「宵宮でも曳行しようと雰囲気が盛り上がった」と説明。「父母や祖父母の代がなしえなかったことが実現し、本当にうれしい」と喜ぶ。

<中近笠鉾> 秩父市内の中村、近戸町会が合同で曳行する山車。現行のものは1880(明治13)年建造。重さは15トンほどとされ、黒塗りで周囲に豪華な竜の彫刻を施していることで知られる。電線や建築物に接触する恐れがあるため、現在は全体を覆う花柄の「笠」を付けずに曳き回している。

 

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