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【埼玉】

日本初の女医、荻野吟子の生涯が映画に 「不正入試」相次ぎ決意 山田監督

荻野吟子の肖像画(熊谷市提供)

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 県ゆかりの三偉人の一人で、日本初の女医として知られる荻野吟子(1851〜1913年)の生涯を描いた映画が、来夏の公開を目指して制作されることになった。医学部入試で女性受験者が不当な扱いを受けていた問題が明らかになる中、監督の山田火砂子(ひさこ)さん(86)は「今よりもひどい男尊女卑の中で戦ってきた明治の女性の姿から、現代の女性に『頑張って』というメッセージを送りたい」と願う。(井上峻輔)

 旧俵瀬村(現熊谷市)で生まれた荻野は十七歳で嫁いだが、夫からうつされた性病で子どもが産めなくなり離婚。治療にあたった医師が全員男性だったことに屈辱を感じ、同じ苦しみを味わう女性たちを救おうと医師になることを決意した。三十四歳で国家資格を取得し、日本で最初の女医となり、女性の地位向上にも尽くした。

 山田さんは二〇〇七年、障害児教育の先駆者として知られる石井筆子(一八六一〜一九四四年)を描いた映画「筆子 その愛」を制作。石井と親交のあった荻野の映画化も構想してきた。今年、医学部の不正入試問題が相次いで発覚し「この映画は絶対に撮らないといけない」と思いを強くしたという。

 十一月には県庁を訪れ、上田清司知事に制作を伝えた。「おかしくって泣ける映画にする。荻野さんの偉大さを感じてもらえれば」と山田さん。上田知事は「映画化は県にとっても、大変ありがたい話で応援したい」と応じた。

 映画は年内に主演女優を決め、来春の撮影開始を目指している。荻野の出生地である熊谷市でのロケも予定している。

 映画を制作する「現代ぷろだくしょん」(東京都新宿区)は鑑賞チケットを兼ねた制作協力券を販売中。一枚千二百円で、百枚以上の購入か十万円以上の寄付で、映画のエンドロールに氏名が掲載される。問い合わせは同社=電03(5332)3991=へ。

荻野吟子を描く映画制作への思いを語る山田監督=県庁で

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