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【埼玉】

絆の校歌 58年ぶり復活 廃校で楽譜散逸 川越の旧南古谷中

旧校歌の楽譜の提供を呼びかけた伊藤校長(中)と、アレンジに協力した日出間さん(左)、香取さん

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 一九六一年に廃校となった川越市の旧南古谷中学校の校歌が、旧中学の卒業生と名前を引き継いで新設された現在の南古谷中の現役生徒の合唱で、五十八年ぶりによみがえる。現中学の呼び掛けで旧中学の卒業生から旧校歌の楽譜が寄せられ、幼稚園教諭や東邦音楽大の協力でピアノ伴奏譜が完成。十四日、同大グランツザールで開かれる音楽祭で、かつて地域に愛された旧校歌が響き渡ることになった。 (中里宏)

 旧南古谷中は、現南古谷中の西約八百メートルの市立南古谷小学校の場所にあったが、六一年に旧古谷中学校と統合されて現在の市立東中学校になり、廃校となった。しかし、八三年に東中から分離する形で現在の南古谷中が開校。地域からは旧校歌復活の要望があったが、二十二年の歳月でピアノ伴奏譜がなくなっていたため、断念された。

 開校記念誌で旧校歌のいきさつを知った現中学の伊藤博校長(58)が二年前、「学校だより」で旧校歌の楽譜の提供を呼び掛けたところ、卒業生の太田百合子さん(72)から楽譜が送られてきた。

 さらに、伊藤校長が生徒の職場体験授業を受け入れてもらっている地元の香取第二幼稚園を訪ねた際、同園教頭の日出間敏子さん(77)が旧南古谷中の卒業生で、三年に一度の同窓会で旧校歌を歌っていることが判明。これを機に、幼稚園教諭の香取加苗さん(30)がピアノ伴奏をアレンジ。地元の東邦音大が監修して伴奏譜が完成した。

 旧校歌が披露されるのは、市青少年を育てる南古谷地区会議の主催で、地元の小中高校や地域のオーケストラなど二十組が出演する音楽祭「第十五回NEW YEARコンサート in 南古谷」。日出間さんの呼び掛けなどで集まった七十〜八十代の卒業生三十人と、現在の南古谷中の二年生約四十人が「絆 in 南古谷」の名前で正午すぎに合唱する。

 旧校歌は「今は山中 今は浜〜♪」の「汽車」で知られる大和田愛羅(あいら)の作曲。十一日に行われた初の合同練習では、高齢者と中学生が香取さんの伴奏で格調高い曲を朗々と歌い上げた。練習を終えた卒業生の女性は「昔の校歌を歌えるというだけで、うれしくて参加した」と笑顔で話した。

 学校と地域の連携で昔の校歌が復活し、祖父母と孫世代が一緒に歌うことになったことに伊藤校長は「地域の絆が深まるきっかけになれば。旧校歌は学校の愛唱歌として残していきたい」と話している。

14日の本番に向けて練習する卒業生と中学生たち=いずれも川越市で

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