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【埼玉】

<ひと物語>人類共通の「文化」広める 獅子博物館館長・高橋裕一さん

収集した獅子頭や玩具を公開している高橋さん=いずれも白岡市で

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 白岡市の高橋裕一さん(70)は一九九三年に自宅に隣接する二階建ての別棟を建て替え、獅子舞の獅子や玩具を展示する獅子博物館を開設し、館長となった。八八年には博物館の前身の「ミニ獅子博物室」を自宅内に設置して公開。同年から起算すると昨年は節目の三十周年で、獅子舞文化の普及や継承、発展に寄与することを目指し、活動を続けている。

 獅子と出合ったのは幼い頃。地元のだるま市の露店で、張り子の獅子頭を親に買ってもらい、親しんだ。地元に伝わる「小久喜のささら獅子舞」は獅子の衣装が黒っぽかったり、てんぐが登場したりして「怖いという印象だった」と話す。

 獅子の玩具の収集を本格的に始めたのは東京都庁に勤めていた三十代のころ。職場に獅子の玩具を集めている先輩がいて、仕事帰りに先輩の自宅で見せてもらい触発された。「獅子はさまざまな表情で、日本全国それぞれの土地ごとに特徴があり、愛着を持たれていることに感動した」

 休みを利用して各地を旅し、獅子舞を見て玩具を購入した。「獅子舞は年に一回のお祭りでしか、お目にかかれない。いつでも楽しめるようにというのが獅子の玩具の目的」。やがて購入の対象は実物の獅子頭へと進展し、職人に会って制作を依頼するなどした。

 現在、博物館で展示しているのは約二千点(獅子以外の郷土玩具や仮面も含む)。他に写真や資料も多数ある。

 これまで入手した獅子は中国や韓国、インドネシア、ネパールなどアジア各国にも及ぶ。思い出深いのは、豪華な装飾を施されたバリ島の「バロン・ケット」。八六年に都内のデパートであったバリ島の仮面舞踊劇で使われたものを終了後に譲り受けた。

 獅子舞の起源は古代ペルシャで守り神とされたライオンで、アジアに来て獅子舞という形になったという。「獅子舞は人類の共通した遺産。民族、地域ごとの歴史や文化が込められていて、見て楽しい」

 日本の各地には約七千五百の獅子舞があるが、後継者不足などで減少傾向にあるという。「二人で一組の獅子が基本だが、三人以上、果ては二百人というスタイルもある。獅子舞の世界は、ものすごい広がりとバリエーションがあることを紹介したい」と話す。

 二〇一五年からは各地の獅子舞の演舞を披露し、団体などを表彰する「全日本獅子舞フェスティバル白岡」を白岡市中央公民館で開催。今後については「フェスティバルを継続させ、獅子舞文化の研究を深めていきたい」と意欲を見せる。 (中西公一)

<たかはし・ゆういち> 白岡市出身・在住。東京都内の高校を経て、立教大卒業後に都庁に入った。建設局で公園の管理に関する仕事に従事。日比谷公園管理所長などを歴任し、定年退職。1993年4月、獅子博物館(白岡市小久喜)を開設。入館料は一般540円など。問い合わせは、同博物館=電0480(92)9105=へ。

アジアの獅子も多数並ぶ博物館の1階

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