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【埼玉】

木造仏 作者は快慶? 熊谷・東善寺の阿弥陀立像

木造阿弥陀如来立像の内部X線CT画像。像内に折り畳まれた古文書らしきものが写っている(東京国立博物館撮影)

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 熊谷市代の東善寺に安置されていた木造阿弥陀(あみだ)如来立像(りゅうぞう)が、鎌倉時代の仏師快慶の作である可能性が高いことが明らかになった。同市教育委員会が二十五日に発表した。快慶作なら、関東では極めて珍しい発見という。仏像の内部に作者の特定につながるかもしれない古文書らしきものが入っていることも判明。今後、解体も含めた精査の方法を国や県と検討する。 (渡部穣)

 如来立像は、市教委が市史編さんのために市内の寺の仏像を調べていて見つかった。快慶の作風に似ていたため、快慶研究の第一人者である山本勉・清泉女子大教授に調査を依頼。「快慶の作品にある特徴が複数見られる」との所見を得たという。東京国立博物館によるコンピューター断層撮影(CT)の結果では、仏像の内部は空洞になっていて、折り畳まれた古文書らしきものが入っていた。

 快慶は同じ鎌倉期の仏師運慶とともに、奈良県の東大寺南大門の金剛力士像の制作者として知られる。関東では栃木県足利市で如来像一体、同県益子町で菩薩(ぼさつ)像二体が確認されている。今回の仏像が快慶作と決まれば、関東で四体目、県内では初めてとなる。

快慶作の可能性が高いとされる木造阿弥陀如来立像(熊谷市教育委員会提供)

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 市教委によると、阿弥陀如来立像に限れば全国で十四体見つかっているが、いずれも高さ一メートル程度なのに対し、今回の仏像は六十九センチと小さい。また、快慶の活動時期は一二〇〇年前後だったにもかかわらず、東善寺の建立時期が一六〇〇年前後と伝えられており、約四百年の隔たりがあるのも不思議だ。

 古文書は謎を解く鍵になりそうだ。内部には快慶の墨書(サイン)がある可能性もあるというが、仏像の解体には専門知識や多額の費用を要するため、市教委は国や県などと調査方法を検討。快慶作と判明すれば、国の重要文化財の指定も目指すとしている。

 市史編さん室仏像・仏画専門部会の林宏一会長は「快慶作と見られる仏像が熊谷で見つかったことは、彫刻史研究上、大変重要な発見だ」と話している。

 阿弥陀如来立像は、県立歴史と民俗の博物館(さいたま市大宮区)で三月十六日から始まる特別展「東国の地獄極楽」で公開される。

 

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