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【埼玉】

<ひと物語>特産サトイモで絶品の味 「所沢どら焼き」開発・大地健太さん

「所沢どら焼き里のアロマ」を手にする大地健太さん(中)と、祖父勝治さん(右)、祖母公江さん=いずれも所沢市で

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 所沢市の和菓子店「宝月」のレトロ感あふれる扉を開けると、一風変わったどら焼き台が甘党の客を出迎える。焼き台の独創的な楕円(だえん)形や縞(しま)模様は、もしや、サトイモ?−。

 「市特産のサトイモを生地に練り込んだ、他に例のない『所沢どら焼き 里のアロマ』です。外観はもちろん、味にも自信ありです」。開発者で宝月の二代目・大地健太さん(20)が胸を張った。

 販売中の「ゆず」「つぶ」「狭山茶」「ピーナッツ」(いずれも税込み二百円)のうち、狭山茶バージョンをいただいた。いかにもサトイモらしいもちもち感としっとり感が口の中いっぱいに広がる。サトイモと混ざり合った白あんの、溶けるようなのど越しも心地よかった。

 高校卒業と同時に、店主の祖父勝治さん(83)に『店を継ぎたい』とお願いした。「祖父のどら焼きあんは絶品だし、五十年近く続いた店を絶やしてはいけないと考えたのです」

 当時、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された和食が一大ブームを迎えていた。

 「祖父には『業界は厳しく、個人店はつぶれているから』と反対された。でも、日本の食文化はさらに伸びていくし、コツコツと工夫をしていけば生き残れる確信のようなものがあった」

 そこで、白羽の矢を立てたのが、地元特産のサトイモだ。味わいに定評があり、東京都内の高級料亭などへ卸されるため、一定量を確保するのは難しいとされる。大地さんは、生産農家と親交を深め、どら焼き用のサトイモを確保した。

 焼き台についても「所沢ブランドにするには形にもこだわらないといけない」と考え、都内の業者に「日本で一台だけの特注品」として発注。業者は一年をかけて、大地さんの要望に応える逸品を作り上げたという。

 来年の東京五輪・パラリンピックを見据え、さらに知恵を絞る大地さん。

 「県内では(バスケットボール、サッカー、ゴルフ、射撃の)四競技が行われ、来県する外国人客が増える。僕の母方の曽祖父はポルトガル系米国人なので、血筋を生かし、ポルトガルの船(南蛮船)をイメージしたロゴマークを創作して商品に付けようかと考えている」

 所沢どら焼きの問い合わせは宝月=電04(2943)0032=へ。品数に限りがあり、予約の上での来店を呼び掛けている。 (加藤木信夫)

<おおち・けんた> 所沢市生まれ。高校卒業と同時に、市内で祖父母が経営する和菓子店「宝月」へ弟子入り。市特産のサトイモを生地に練り込んだ「所沢どら焼き 里のアロマ」を開発・商品化し、昨年11月に市の「所沢ブランド特産品」に認定された。宝月は、西武新宿線新所沢駅東口から徒歩8分、月〜土曜午前9時〜午後6時半。

所沢特産のサトイモを生地に練り込んだ特製どら焼きの焼き台を調整する大地さん

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