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【埼玉】

<東日本大震災8年>心に響く琴の音色 双葉町出身の大川さん演奏 上尾で

避難者らの前で琴を演奏する大川さん=上尾市で

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 避難者十四世帯二十四人が入居する上尾市の県営住宅「シラコバト団地」では、追悼式が開かれ、団地住民や支援者ら約百人が参加した。

 福島県富岡町から避難している渡辺哲雄さん(70)は「(同県)双葉町にいた親戚といまだに連絡が取れず、毎年この日は何とも言えない気持ちになる。富岡の自宅も解体し、帰りたくても帰れない状態だ」と八年の年月を経ても好転しない現状に心を痛めていた。

 式では、双葉町から埼玉県内に避難した琴奏者大川義秋さん(23)が演奏を披露。大川さんは震災当日が中学の卒業式で、本来進学するはずだった地元の高校に行けなくなり、戸田市の県立南稜高校に進学し、邦楽部に入部し琴と出合った。

 琴の経験はなかったものの、廃部寸前だった部を救い、メキメキと上達。高校卒業後も研さんを積み、全国邦楽コンクール最優秀賞に輝くなど活躍している。

 この日は唱歌「さくら」などを奏で、涙を浮かべながら聞き入る女性もいた。

 大川さんは「避難者の中には気持ちを押し殺して生きている人もいる。自分の頑張りを見てもらい、勇気づけられたなら良かった」と話した。 (森雅貴)

 

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