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【埼玉】

財政健全化も県「不支給継続」 埼玉朝鮮初中級学校 補助金問題

 在日コリアンの子どもたちが通う「埼玉朝鮮初中級学校」(さいたま市大宮区)への補助金を県が停止してから、四月で十年目に入る。理由の一つだった学校の財務状況は二〇一八年度に健全性が確認されたが、県は拉致問題などを理由に一九年度も不支給を継続する。学校関係者らは十八日、「不当な差別の撤回を」と支給再開を求める声明文を県に提出した。 (井上峻輔)

 同学校を運営する学校法人「埼玉朝鮮学園」や県学事課によると、県は一九八二年度から年間一千万円ほどの補助金を出してきたが、二〇一〇年度から支給していない。理由として、学校の財務状況が適正でない▽「拉致問題解決まで予算執行を留保すべきだ」という県議会の付帯決議がある▽在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と朝鮮学校の関係性が教育基本法で禁じる「不当な支配」に当たる懸念−の三点を挙げてきた。

 このうち財務状況について、県は今年二月に「健全性が確認できた」と学校側に通達。一方で、残る二点を理由に一九年度も補助金の予算計上をしなかった。

 声明文では、付帯決議は民族差別に当たり「不当な支配」を持ち出すことは行政による不当介入を禁止するという法の趣旨と異なると主張。速やかな支給再開を求めてる。

 県庁で会見した学園の李昌勇(リチャンヨン)理事長(57)は、年間予算の一割を占める補助金がなくなり、教員の給料カットなどを余儀なくされたと説明。「朝鮮総連と朝鮮学校は協力関係にあり、不当な支配を受けるような関係ではない」と強調した。

 児童生徒の母親でつくる「オモニ会」の梁仙麗(リャンソンリョ)さん(47)は「県が補助金を支給しないことで、子どもたちに『自分が日本社会に受け入れられない存在だ』という負の意識を与え続けている」と涙ながらに訴えた。

 

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