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【埼玉】

歩けない人の移動手段に 秩父で夫婦二人三脚の介護タクシー

「多くの人に介護タクシーを知ってもらいたい」と話す阿部誠さん、直美さん夫妻=秩父市で

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 主に歩行困難な人を対象とした、夫婦二人で営む介護タクシー事業者が秩父市にある。阿部誠さん(61)と直美さん(47)の「あべケアタクシー」だ。病院の転院やお花見での外出などの際、お年寄りや障害者の移動手段となっている。二人は、介護タクシーの存在が十分に知られていないとして、PRに努めている。 (出来田敬司)

 介護タクシーは、身体障害者や足を負傷するなどして歩くのが難しい人を乗せるのが目的で、他の人は利用できない。

 通常はワンボックス車を使用し、車輪が付いた移動用の簡易ベッド「ストレッチャー」や車いすなどを積み込めるようになっている。

 あべケアタクシーもワンボックス車二台を保有し、誠さんと直美さんがそれぞれ運転手を務める。ともに訪問介護員の資格を持ち、乗り降りだけでなく、飲食店での食事の世話やトイレの介添えを担当することもある。

 料金は通常のメーターの運賃に基本介助料(千円)、さらにストレッチャーなど機材の使用料を上乗せする。障害者割引(一割引き)や自治体が発行する福祉タクシー券が利用できる。

 誠さんは以前、ホテルマンだった。二〇一一年九月、介護タクシーの全国組織がオーナーを募集しているとの新聞広告を目にし、「接客技術を生かせるのでは」と転身を決断。免許の取得や許可申請の後、一二年五月に開業した。

 ただ、次第に配車の予約が重なり、応じきれなくなるケースが増えた。一七年八月には、皆野町のグループホームでヘルパーをしていた直美さんを呼び寄せる形で運転手になってもらい、夫婦二人三脚での介護タクシーが始まった。

 利用者は、秩父地域のほか、熊谷市や日高市にも広がり、老人ホームや大病院からの依頼も少なくない。「早世した息子の墓参りをしたい」という末期がんの男性を、男性が亡くなる数日前に静岡県まで送り届けたこともある。

 それぞれ「ホテルマンやヘルパーの経験者として、丁寧な接客を心掛けている」という二人。「まずは多くの人に介護タクシーを知ってもらい、より多くの利用者に喜んでほしい」と話している。

 

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