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【埼玉】

男性も家事の楽しさを 志木の尾上さん、自立支援教室

自立支援教室で野菜のあえ物を作る参加者。左から2人目は尾上さん=志木市で

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 男性に家事の楽しさを知ってもらおうと、志木市の尾上元彦さん(52)が、料理や掃除の教室を開いている。「男性が家庭で自立すれば女性の社会進出にもつながる。手や頭を使うことで認知症予防にも効果的だ」と話す。

 「男の料理は、簡単でアレンジできるものが基本です」。三月末、尾上さんが県内で開いた料理教室。具材を混ぜてスプーンですくって焼くだけの肉団子を、スープやトマト煮にアレンジした。

 参加したのは会社経営者の今田圭哉さん(34)ら。今田さんの会社はパート従業員約百人の半数以上が家庭を持つ女性といい、配偶者や男性社員を対象に、福利厚生として家事教室の導入を検討中だ。今田さんは「定期的に教室を開き、夫婦で家事をシェアするという考え方を浸透させたい」と話した。

 尾上さんは会社員として単身赴任していた宮城県で二〇一一年、東日本大震災を経験。炊き出しや片付けを手伝うと、疲れきった被災住民が笑顔になるのを見て「食や掃除に携わりたい」と思い立った。脱サラして調理師免許やクリーニングの資格を取得し、同年七月から家事教室「カジオス」を始めた。

 「五感を働かせる料理は脳を活性化し、掃除は有酸素運動になる。家事は健康にもいい」と話す尾上さん。志木市の依頼で、高齢者対象の自立支援教室も開いている。

 四月中旬にあった教室では、六十〜八十代の十六人が野菜のあえ物と包み蒸しに挑戦した。参加者は「包丁を握ったこともないのに」「調味料を入れ過ぎちゃった」と和気あいあい。尾上さんは、後片付けでシンク掃除のコツも伝授した。参加した矢貝平八さん(75)は「妻に先立たれ、自己流で料理をしてきたが、教室に来てレパートリーが増えた。新しい友達もできて楽しい」と笑顔だった。

 個別レッスンは、二時間三千五百円から。口コミで評判が広がり、全国各地で出張教室も開いているほか、自治体から講演の依頼も舞い込む。尾上さんは「女性に頼りすぎない生活ができるようになれば、心も体も元気になる。人生を豊かにする家事の魅力を一人でも多くの男性に伝えたい」と語った。

 

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