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【埼玉】

川越城跡の富士見櫓跡 保存対策、急いで 地元住民が市に要望書と署名提出

クスノキやイチョウの大木が茂る「川越城富士見櫓跡」=いずれも川越市で

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 川越市郭(くるわ)町の川越城跡(県史跡)にある富士見櫓(やぐら)跡について、地元住民らが「山や階段の崩壊が進んでいる」として、早急な保存対策を求める要望書と地元九自治会で集めた約千八百人分の署名を、川合善明市長に提出した。川合市長は「危険のある階段と登り口は数年のうちに、きれいに整備したい」と回答。市は史跡保存と見学環境改善の両立へ向け、慎重に整備方法を検討する方針だ。 (中里宏)

 県立川越高校の南隣にある富士見櫓跡は高さ約十二メートルで、うち十メートルが江戸時代に盛り土された。川越城の遺構の中で最も分かりやすい形で残る土塁の一つだ。

 しかし、後世に作られた二カ所の階段のうち、南西側の階段の石段がずれたり、傾いたりしていて危険だとして、現在は市が立ち入り禁止にしている。頂上付近にも「危険立ち入り禁止」の看板や柵が数カ所設置されており、史跡としての見学環境は劣悪な状態だ。

 市は、三月に策定した初雁(はつかり)公園基本計画で、二〇二二年の市制百周年までに富士見櫓跡の見学環境を整備すると明記。来年度以降に整備方針を検討する予定という。

 署名を提出した、市自治会連合会第四支会長の山崎耕一郎・大手町自治会長は「川越は城下町だからこそ蔵の町ができて、今の観光ブームになっている。川越城の歴史を物語る富士見櫓跡の保存には、早急に手をつけてほしい」と話した。

 川越城に天守閣はなかったが、本丸の南西角にあった富士見櫓が天守閣の役割を果たしていたとされる。現在は樹齢百年を超えるクスノキや、イチョウの大木が葉を茂らせている。

 市文化財保護課によると、過去に櫓跡の草刈りをしたところ、土砂の流出が進んだことがあり、風雨による流出は今も続いている。生い茂る樹木の根や草が微妙なバランスで、土塁の原形をとどめる役目を担っているという。見学環境の整備には史跡保存が大前提となるため、市は慎重に整備方法を検討していく考えだ。

富士見櫓跡の頂上。南西側の階段から登れるが、立ち入り禁止の柵が設置され、景観はいまひとつだ

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