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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW>アカデミー育ち 存在感増す若手選手

アカデミー出身選手の活躍が目立つ大宮イレブン(大宮アルディージャ提供)

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 7月13日、NACK5スタジアム大宮に鹿児島ユナイテッドFCを迎えた第22節のゲームで、大宮アルディージャは今季最多となる6点を挙げて6−0で快勝した。14分の先制ゴールはフアンマ・デルガドのPKによるものだが、チームを勢いづけた32分の2点目は吉永昇偉(しょうい)、38分の3点目は奥抜侃志(おくぬきかんじ)と、まだ19歳の2人が決めたものだった。

 2人はともにアルディージャの育成組織、アカデミーからトップチームに昇格した選手で、8月に20歳となる奥抜が昨シーズン、吉永は今シーズンからプロとしてのキャリアをスタートさせている。

 この日、左サイドのMFとして7試合連続でスタメン出場した吉永は、激しく上下動を繰り返し、右サイドの奥井諒(りょう)からの折り返しに長い距離を走ってヘッドで合わせ、プロ初となるゴールを挙げた。

 一方、1トップのフアンマの背後でプレーした奥抜はフアンマがスペースへ出したボールに走り込み、スピードで相手DFを振り切ってゴール右へ流し込んだ。今季初先発した17節の京都サンガF.C.戦でいきなり先制ゴールを挙げ、続くFC岐阜戦でも連続得点し、鹿児島戦のゴールは今季3点目とチームの得点源になりつつある。

 鹿児島戦では、やはりアカデミーから昇格して4年目のGK加藤有輝もJリーグデビューを果たし、無失点に抑えた。なかなか出場のチャンスをつかめなかったが、正GK笠原昂史(たかし)の負傷もあり、公式戦では初めて先の天皇杯2回戦でゴールマウスに立ち、評価されての抜てきとなった。1メートル88の長身を生かしたハイボールへの対応やシュートストップ、足元の技術にも自信を持ち、将来性は高い。

 他にも中盤で大山啓輔がスタメンに復帰し、今季湘南ベルマーレから移籍してポジションをつかんでいる石川俊輝(としき)も攻守に貢献。74分には菊地光将(こうすけ)に代わって高山和真(かずま)が入り、83分には負傷した畑尾大翔(ひろと)に代わって小島幹敏(まさと)が登場して、この日のピッチには7人のアカデミー出身者が立った。

 大山はアカデミーから上がって6年目、すでに昨季からチームの主軸としてゲームをコントロールし、東洋大−湘南を経て大宮に戻った石川は、攻守に計算できるユーティリティープレーヤーだ。

 5年目の高山と小島は同期で昇格、小島はJ2水戸ホーリーホックでの2年間を経て昨季復帰した左利きのボランチ、高山は組み立てもできるCBとして期待される。この日はベンチから外れたが、テクニックのあるプレーメーカーの小野雅史(まさひと)も同期で、明治大を経て今季プロ契約した。

 さらに、3人の1学年下で、4年前に昇格した黒川淳史(あつし)は水戸にレンタル移籍中だが、豊富な運動量とアグレッシブなプレーで、今季の躍進の原動力となっている。また現在ユース(U18)所属のドリブラー、高田颯也(そうや)の来季のトップ昇格が発表されており、今後さらにアカデミー出身者の割合が増えそうだ。

 彼らの台頭はアカデミーでの育成が良い方向へ進んでいることを証明している。ユースは、トップチームで存在感を放つ35歳の金澤慎が1期生、30歳の渡部大輔が7期生と歴史は古くないが、現在この年代の最高峰であるJFAプレミアリーグ・イーストに所属、2015年、18年には日本クラブユース選手権(U−18)で決勝に進み、トップレベルと言っていい。

 育成方針に「トップチームで中心となり、世界でも活躍できる選手、また社会のリーダーとなれる人材」を掲げるように、プレーヤーとしての技術、戦術、フィジカルの習得ばかりでなく、人間性の確立を重視しているところが結果につながっているのだろう。

 アカデミー出身選手の活躍はファン、サポーターにとってもうれしい。この良い流れを継続させて、さらに高めていきたい。

(サッカージャーナリスト)

 

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