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【埼玉】

知事選の構図 複雑化 与野党対決?保守分裂?

総決起大会で菅義偉官房長官(左)の応援を受ける青島健太さん=川口市で

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 告示が八日に迫った知事選の構図が、複雑化している。自民、公明両党がスポーツライターの青島健太さん(61)を推薦するのに対し、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党四党は参院議員の大野元裕さん(55)=国民を離党=の支援を表明。一見すると「与野党対決」のように映るが、大野さんは政党色を出していない上、地元・川口市では自民支持層にも浸透しており「保守分裂選挙」の様相も呈している。(井上峻輔)

 七月三十日に川口市内で開かれた青島さんの総決起大会。集まった二千人以上の前でマイクを握ったのは、自公政権の中枢にいる菅義偉官房長官だった。

 「新しい令和の時代に新しい埼玉をつくるのは青島健太しかいない」

 壇上には自民の新藤義孝県連会長をはじめ、県南地域の衆院議員や県議がずらり。自民色を前面に押し出して、支持を呼び掛けた。

 自民は旧民主党出身の上田清司知事と、県議会で対立を続けてきた。新藤会長は「長い間、野党の知事が県政を担ったことで、いかに国との連携が弱くなっているか」と述べ「大切なのは青島健太のみが持てる政治体制だ」と自民系知事誕生の意義を強調した。

大野元裕さん(左)の集会で気勢を上げる上田清司知事(中)と奥ノ木信夫川口市長=川口市で

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 一方、野党四党の県組織は七月末、次々に大野さんへの支援を表明した。旧民進党時代の同士である立民と国民に加え、社民も「支持」を決定。独自候補の擁立を目指した共産も「自民の意のままになる知事の誕生を阻止するため」と、候補を立てずに大野さんを自主支援すると決めた。

 国政の「野党共闘」にも通じる動きだが、地方議員が続々と応援に入る立民や国民と、「自主支援」の表明にとどまる共産では温度差がある。大野さん自身も「一党一派に偏らない」と政党色は避け「応援団長」に就任した上田知事との連携に重きを置く。完全な与野党対決とは言いがたい状況だ。

 川口商工会議所が大野さんを推薦したことも、構図を複雑にしている。

 「自民支持者が多い商議所が推薦するということは、実質的には自民の推薦ということだ。大手を振って応援してほしい」

 一日に市内であった大野さんの集会で、同商議所の児玉洋介会頭が訴えた。

 大野さんの祖父は、元川口市長で「川口自民党」を組織した故元美さん。今でも大野さんには自民系の支持者が多く、商議所も五月に自民県連に大野さんの推薦を要請していた。

 結果的に、自民は青島さん推薦を決めたが、商議所は大野さんを推薦。川口は、新藤県連会長の地元でもあり、自民関係者は難しい対応を迫られている。

 元自民県連幹事長の奥ノ木信夫・川口市長も、市内で開かれた青島さんと大野さんのそれぞれの集会に参加。大野さんの集会後、報道陣に「股裂き状態だが、地元の市長として軸足はこちらに置かざるを得ない」と話し「大野さんなら自民とも必ずうまくやっていける」と付け加えた。

決起集会で支持者に囲まれ、あいさつする行田邦子さん=さいたま市で

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 元参院議員の行田邦子さん(53)は、政党と距離を置いて草の根の戦いを目指す。七月三十一日にさいたま市内で開いた決起集会では「政党とのしがらみも、ベテラン知事とのしがらみもない」と青島さんと大野さんとの違いを強調した。

 知事選には、NHKから国民を守る党の医師浜田聡さん(42)らも出馬を予定している。

 

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