東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

学生らの知恵、地域つなぐ 川口で「みんなの食堂Flat」初開催

カレーライスを楽しむ親子連れ=いずれも川口市で

写真

 県内での新たな子ども食堂の立ち上げを模索してきた高校生や大学生らの学生ボランティアチームが二十一日、医療生協さいたま生活協同組合さいわい診療所(川口市中青木四)の台所を借りて、初めて食堂の開催に挑んだ。明るく楽しいランチタイムを演出できた半面、将来の資金繰りや人手の確保をどうするかといった運営継続に向けて解消すべき課題も浮き彫りになった。 (大西隆)

 子ども食堂の事情に詳しい東洋大助教の関屋光泰(みつひろ)さん(45)と、地元の「川口こども食堂」代表の佐藤匡史(まさし)さん(46)が企画して、五月から開いてきた「子ども食堂学生ボランティアスタートアップ講座」の受講生らのチーム。この公開講座の最終ステージとして食堂運営を試みた。

 子どもに限らず、多世代の交流の場づくりを目指して「みんなの食堂Flat(ふらっと)」と命名。日々の学業や仕事の合間を縫って打ち合わせを重ね、会員制交流サイト(SNS)でやりとりして準備を進めた。

 小学生以上は五十円、十八歳以上は百円に料金を設定。午前十時から調理を始め正午からカレーライスなどの昼食を出し、午後一時から子どもは工作、お年寄りは軽体操の時間を当てる計画を立てた。直前にインスタグラムやツイッターを使って宣伝した。

 佐藤さんらも人脈を生かしてバックアップ。炊飯器や米、カボチャ、鶏肉のほか、ザリガニなど異色の食材も寄贈された。当日は元料理人という強力な“助っ人”らも駆けつけて支度を手伝った。

 食堂に訪れたのは、地元の親子連れやお年寄りたちおよそ十五人。

 娘(3つ)と参加した高路(こうろ)麻衣さん(34)は「娘にはきょうだいがいない。お兄さん、お姉さん、おばあちゃんら異世代の人たちと交流でき、知り合いが増えてありがたい」と語った。「子どもも遊べるし、ママ友同士で育児の相談もできる。ストレスも発散でき、うれしい」と、同い年の娘を連れた鈴木紗都美さん(33)。

 「いただきます」をしたのは午後一時とほぼ一時間遅れた。結局、軽体操の時間も確保できずじまいだったが、全員が楽しいひとときを過ごした様子だった。

 経験豊富な大人の助力が目立ったこの日、司令塔役を担ったのは川口市立高一年の中村はるさん(15)。「学生は(卒業して)いなくなる。取り組みを継続するためにも、同世代の人にもっと多く参加してほしい」と課題を挙げた。東洋大一年の駒村吉彦さん(19)は「明るく楽しい中にも、おしゃべりが苦手な人間もいることを気に留めることが大事と思う」と振り返った。

◆定期開催につなげて

<関屋光泰・東洋大助教の話> 知らない子どもが集まる場に知らない大人がいると、普通はなかなか打ち解けられない。高校生や大学生が子ども食堂を開く強みは、子どもたちと年齢が比較的近く、自然と仲良くなれること。自信を持ち、定期開催につなげてほしい。

◆食堂に貢献でき感謝

<関口由希公(ゆきひろ)・さいわい診療所長の話> 地域に開かれた診療所として子ども食堂をやりたいとずっと思っていたが、ノウハウも人も時間もなく躊躇(ちゅうちょ)していた。若い人たちから協力を依頼され、場所の提供という形で貢献でき、感謝している。今後も地域に開かれた活動に取り組みたい。

食堂開催後にミーティングをする学生たち

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報