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【埼玉】

免許返納 感謝の「反射材」 高齢者事故防止へ 県警、来月から贈呈

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 高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化する中、県警は、運転に不安を感じている高齢者に運転免許証の自主返納を促している。返納者には10月から特製の反射材を贈るほか、羽生署などは感謝状を渡す取り組みを開始。県警交通総務課の担当者は「返納は勇気がいること。前向きに考えるきっかけにしてもらいたい」と話している。(浅野有紀、寺本康弘)

 県警が10月から免許証の自主返納者に贈るのは、書家で詩人の相田みつをさん(1924〜91年)の作品「ありがとう」をプリントした反射材=写真。歩く機会が増える高齢者に夜道での安全に気を配ってもらおうと、相田みつを美術館(東京都)の協力を得て作成した。3万個用意し、返納窓口の運転免許センターと、鴻巣署を除く38署で手渡す。

 県警によると、県内の自主返納者は2014年は約1万3000人だったが、今年は8月末までに約2万1000人に上り、年々増加傾向。ただ、75歳以上の免許保有者は約30万人と全国的にも多く、高齢者による事故は後を絶たない。

 県内の人身事故件数はこの5年間で減り続けているものの、今年8月末までに高齢ドライバーが第1当事者となった人身事故は1004件で、ミニバイク以上の車両が関わった人身事故約1万件のうち8%を占めた。この割合は14年の5.3%から年々増加している。

 事故の主な要因は、ハンドルやアクセルの操作ミスが目立つという。状況別では、交差点での出合い頭が多く、交通総務課の担当者は「交差点では、横断歩道や対向車など注意を払うポイントが多く、判断が遅くなりがち」と指摘する。

 県警は7月、免許返納後の生活に困らないよう、返納者の許可を得て個人情報を近くの地域包括支援センターに提供する取り組みを開始。支援が受けられる態勢づくりに努めながら、返納制度の周知を図っている。

◆県内初の感謝状 羽生署、12月27日まで

神丸署長(左)から感謝状を受け取った渡辺さん(中)と、企画した金子さん=羽生署で

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 羽生署と羽生交通安全協会が始めた自主返納者への感謝状の贈呈は、署によると、県内では初めての試み。感謝状のほか、署の前で撮影した写真と、穴を開けて無効にした免許証を額に入れて贈る。十二月二十七日までの期間限定。

 同協会の金子常雄会長(59)が、熊本県内の警察署で感謝状を渡していることを知り、現地を視察した上で企画して実現した。金子さんは「お年寄りにとって免許の返納はとても勇気のいること。交通安全のための決断に少しでも敬意を表すことができたら」と意図を説明する。

 二十四日には、最初の対象者として元すし職人の渡辺栄(さかえ)さん(84)に神丸(じんまる)憲司署長から感謝状が手渡された。渡辺さんは「免許がなくなると不便もあるが、事故を起こしたら大変。いろいろ考えて判断した」と話した。対象は、羽生市在住の六十五歳以上で羽生署で免許を返納する人。協会員は無料だが、非会員は作成費として五百円かかる。

 

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